今年に入って米国のSIPS企業の日本進出が相次いでいるが,今度はアジアに基盤を置くSIPS企業が日本に上陸した。10月25日から営業活動を開始したメカテラ・ジャパン(東京都新宿区)だ。すでに大手出版社と大手製造業の2社を顧客として獲得済みだ。SIPS(ストラテジック・インターネット・プロフェッショナル・サービス)とは,顧客企業の電子商取引(EC)戦略を総合的に支援するサービスのこと。IT(情報技術)に関わる戦略コンサルティングから,Webデザインや電子商取引(EC)システム構築,さらにはインターネット・ビジネスにおけるマーケティング活動までを一貫して支援する。他のSIPS企業と同じく,メカテラは「コンサルティング会社やシステム・インテグレータにはない総合力」を売り物にしている。

 先行する米大手SIPS企業と比べて,メカテラの企業規模はかなり小さい。すでに数千人の従業員を全世界に抱える米大手に対して,メカテラは今年1月に設立されたばかりの新興企業である。進出している国は,日本を含めて,まだ5カ国だ。従業員も全体で120人ほどに過ぎない。それでも,香港にある親会社メカテラ・ホールディングスのジョルディ・アルジェンテCo-CEO(共同最高経営責任者)は,「こと日本市場では先行する米大手に比べて我が社は決して引けをとらない」と自信を見せる。

 アルジェンテCo-CEOは,その根拠として他社にないメカテラの二つの特徴を挙げる。一つは,アジア市場での展開に集中していること。「当社は設立時からアジア地域にフォーカスしたビジネスを展開している。スタッフもほとんどがアジア地域の大手コンサルティング会社や大手ソフト・ベンダーの出身者で,アジア特有のビジネス形態に関しての経験・ノウハウがある。米大手企業はアジア地域,特に日本での実績がないに等しい状態だ。従業員もほとんどが米国人で占められている」(アルジェンテCo-CEO)。

 二つ目の根拠は,「メカテラの拡大戦略」にあるという。「メカテラは,意思決定を各国法人に任せており,それぞれの国で独立したメカテラが他社の力を借りずに自力で成長していく拡大戦略をとっている。米大手は世界進出をする際に,現地のシステム・インテグレータなどを買収したり,電通と組んだマーチファーストのように現地企業と提携をする。そうすると,違う企業文化が混じり企業としてのポリシーが揺れる」(アルジェンテCo-CEO)。

 現在メカテラ・ジャパンの従業員は15人だが,年末までに50人,来年末までには150人体制に持っていくという。アルジェンテCo-CEOは,「技術でもビジネス・モデルでも常にカッティング・エッジ(先端)にチャレンジする人間が欲しい。それが当社のポリシーでもある」と締めくくった。

井上 理=日経コンピュータ