「インターネット・ビジネスがもたらす本質を理解すれば,日本企業はインターネット・ビジネスでも大きな成功を収めることができるはずだ」。こう指摘するのは,インターネット・ビジネスにおける事業戦略立案と電子商取引(EC)サイトの構築・運用に特化したコンサルタント会社(通称SIPS)大手の米サイエントで日本担当副社長を務めるバラージ・ゴピナス氏だ。米サイエントはこの11月から,日本法人(http:/www.scient.co.jp/)を通じて,国内企業に対するコンサルタント事業を開始したところである。

 ゴピナス氏は日本企業の強みとして,「米国企業に比べて,企業同士が協調することの重要性を理解している」ことを挙げる。同氏はインターネット・ビジネスの当面のゴールを,複数の企業がインターネット上で連携・協調するマーケットプレイスに見ており,そこでは複数企業間の協調が得意な日本企業の活躍の場が広がる,とみる。このほかゴピナス氏は「iモードなど,世界の最先端を行く無線技術インフラが整っていることも,日本企業がインターネット・ビジネスを展開する上で有効なインフラとなる」とみている。

 ただし,ゴピナス氏は,日本企業の現状に関しては,「インターネット・ビジネスによって,どのように売り上げを伸ばし,利益を上げていくかという視点がまだ欠けている」と厳しい見方をする。「多くの日本企業が,EC(電子商取引)サイトの構築を進めている。しかし,ECサイトをビジネスの拡大に具体的にどのように生かすのか,まだ考え切れていないのではないか。『流行に乗り遅れてはならない』というだけでECサイトを構築する企業や,現状の業務の効率化のためだけにECサイトを運用する企業が日本にはまだ多いように見受けられる」。

 裏をかえせば,日本には,サイエントのビジネス・チャンスが多数あるということだ。サイエント日本法人は,ビジネス戦略の立案からECサイトの開発・運用まで一貫して支援できるスキルと,全世界で2000人いるコンサルタントが最新情報を共有するナレッジ・マネジメント(KM)システムの利用,創造力を高めることに主眼を置いたコンサルタント教育,の三つを強みにビジネス拡大を図る意向だ。

 このうちKMシステムに関して,日本法人の牧田幸裕マーケティング ・ディレクターは,「サイエントのKMシステムには,過去に実施したプロジェクトでどんな問題が発生して困ったのか,今後注意すべき点は何か,などプロジェクト進行中の情報も格納されている。コンサルタント会社はどこもKMシステムを開発しているが,格納されている情報の大半はプロジェクトの成果物に過ぎない」と力説している。

森 永輔=日経コンピュータ編集