日本的な商慣習が根強く残る繊維業界におけるBtoB(企業間電子商取引)を推進するため,ライバル企業2社が手を組んだ。繊維業界大手の東レと帝人,およびNECの3社は,2001年1月に設立する共同出資会社「エイトピア」を通じて,繊維業界向けのBtoBサイトを運営に乗り出す。今後,他の繊維メーカーにも出資を呼びかける。当初の出資比率は東レと帝人がそれぞれ41.7%,NECが16.7%。

 エイトピアは,調達用と販売用の二つのBtoBシステムを開発し,このシステムに実装した業務プロセスを,「繊維業界のデファクト・スタンダード(事実上の標準)にすることを目指す」(東レの平井克彦社長)。エイトピアは,ファイバー(糸と綿),テキスタイル(織・編物),プラスチックといった個別の事業分野ごとにBtoBサイトを構築する。それぞれのBtoBサイトは,エイトピアが設立する子会社が運営する。NECは,システムの開発と運用に協力する。

 第一弾として,ファイバー取引用のBtoBサイト運営会社「ファイバーフロンティア」を2001年1月に設立し,2001年5月からサービスを開始する。ファイバーフロンティアは,繊維メーカーが原材料の調達に使う「調達サイト」と,繊維メーカーがテキスタイル・メーカー、糸加工メーカーなどに糸・綿の販売に使う「販売サイト」の二つを立ち上げる。調達サイトには,マーケットプレイスとしての役割を持たせ,電子カタログ機能や入札購買機能を持たせる。一方,販売サイトは,基本的に「1対1」の取引用で,見積もり機能や受発注機能を中心に実装する。2001年度に300億円,2003年度に1000億円以上の取引を目指す。

 BtoBサイトの利用によって,東レと帝人は,業務処理コストを10%程度削減できると見込んでいる。取引の迅速化も期待できる。繊維業界は,流通構造が複雑なうえに,口頭での仮発注や返品といった,日本的な商慣習が根強く残っている。そうした意味では,東レと帝人の試みが成功するかどうかは,日本におけるBtoBの成否を占う試金石と言えそうだ。

星野 友彦=日経コンピュータ

 

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