1月15日からCEO(最高経営責任者)を兼任している日本オラクルの新宅正明社長兼COO(最高執行責任者)は,新年の記者向け説明会で,2001年1月からの新体制について説明した。新体制の骨子の一つは,より透明な人事の実現を目指して,新たな委員会を設立したこと。もう一つは,従来よりもさらに経営と執行を分離を進めたことだ。新体制について,新宅社長は「過去10年の成功体験をかなぐり捨てて,ソフト会社とし質・量・顧客の評価の面で日本一の企業になりたい」と意気込みを語った。

 委員会としては,新宅社長は自らが委員長を兼任する指名委員会と,南野昭常務兼CFO(最高財務責任者)を委員長とする報酬委員会を発足させた。これらの委員会が審議することで,とかく密室の議論で決定しがちな役員の選出過程を透明化する。

 経営と執行の分離は,具体的には古参役員の異動につながった。佐野力前会長兼CEOが,代表権のない取締役に退いたほか,1月15日付で吉田明充副社長コーポレートプランニング担当と秋田康夫常務新規事業担当,引田保常務執行役員金融ソリューション本部長の3氏が取締役に退いた。3氏はいずれも日本オラクルの古参役員として知られる。

 この人事と並行して,常務執行役員営業統括本部長だった石井洋一氏が副社長に昇格した。従来管轄外だった製造ソリューション本部,金融ソリューション本部を率いる。石井副社長に営業の権限を集中させることで意志決定の速度を向上させる。引田氏の後任の金融ソリューション本部長には,新たに執行役員に選出された桑原宏昭氏が就任した。

 また特に公表はされていないが,日本オラクルの知恵者として知られる佐藤聡俊執行役員が,専任で合弁会社の設立なども想定した新規事業の立案に当たることになった模様である。

中村 建助=日経コンピュータ