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 「最近,欧米企業のようにカンパニ制を導入し,事業部門ごとの権限を明確にする企業が増えている。しかし,こうした仕組みは本当に日本企業に合っているのだろうか」。こうした疑問を抱いていた富士通の秋草直之社長が,カンパニ制に対抗する考え方として,「長屋経営」を提唱し始めた。

 長屋経営とは,「各事業部門の間の壁が薄く,さまざまな情報を共有しやすい。前の家で病人が出れば,助け合うこともできる」(秋草社長)といったイメージのものである。これに対し,カンパニ制は,「マンションに住んでいるようなもので,隣が何をしているのか分からない」。これで果たして業務がスムーズに進むのか,と疑問を呈する。

 富士通が先頃新設した「SIプロフェッショナル室」は,部門間の情報共有を進める一つの実践例と言えるかもしれない。SIプロフェッショナル室は,SE集団である「システム本部」内に,本部長直轄の組織として設置した。大規模なシステム・インテグレーション(SI)案件をレビューし,問題が生じそうな案件を早期に発見。必要があれば,事業部の壁を超えた支援体制を組む。

 富士通はこれまでも,システム本部内に業種ごとに設置した「事業部」の単位で,SI案件を監査したり,支援してきた。ただし,事業部単位では,支援に回せるSEの数が限られており,大がかりな支援が難しかった。(森 永輔=日経コンピュータ