日本レコード協会(RIAJ)がこのほど,音楽ファイルの無料交換サービスを行う米ナップスターに向けて,約3000曲の交換停止を要求するリストを提出したことが,日経コンピュータの取材で明らかになった。インターネット上で利用が広まる無料音楽交換サービスに関して,日本の音楽産業界がサービス停止の具体的な要請をしたのは,これが初めて。日本レコード協会は,6月29日の理事会で承認を得た上で,停止要求の事実を正式に発表する。

 今回,交換停止の要求をした楽曲は,日本レコード協会に加盟する6社が発売した約3000曲分と見られる。まず日本レコード協会は,各社から取りまとめたリストを,国際レコード産業連盟(IFPI)へ提出した。ナップスターは,国際レコード産業連盟から同リストを提示され次第,該当するファイルの削除手続きに入る。

 これは,今年3月,北カリフォルニア連邦地裁が下した判決によるもの。この判決はナップスターに対し,著作権侵害を理由にレコード会社から停止要求のあったファイルに関しては,交換リストから削除するよう命じている。このため,今回要求した3000曲についても,ナップスターがリストを受け取ってから3営業日以内に削除されることになる。

 ナップスターに要求を出すとともに,日本レコード協会は,インターネット上で音楽ファイルを違法に公開するユーザーに対し,法的手段を取る準備をしていることも明らかにした。同協会によると,「ナップスターやグヌーテラなどの交換ソフトを通じて音楽ファイルを公開しているユーザーも,著作権法における送信可能化権を侵害していることになる。したがって,明らかに違法である」と言う。

 さらに,インターネット・サービス・プロバイダに,違法行為をした個人の情報公開を義務づけるようにする法律対策を求めていくとしている。インターネット上で違法な音楽ファイルを公開している個人を特定するのは難しいためだ。

(井上 理=日経コンピュータ