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 サン・マイクロシステムズ日本法人は同社の製品系列に欠けていた,ある重要な製品をようやく発売する。それは,ハイエンドのストレージである。同社は9月18日,日立製作所と結んだハイエンド・ストレージ販売に関する提携について国内で正式発表した。サンは,これまでハイエンド・ストレージの有力な製品を持っていなかった。

 今回の発表は,米サンと日立が8月8日に発表した提携に基づくものである。サンは今後,日立のハイエンド・ストレージ「SANRISE2000-eシリーズ」を,「StorEdge9900シリーズ」として販売する。

 サン日本法人の菅原敏明社長は,「すべてのストレージ・ベンダーの中から,ベストな製品として日立のSANRISE2000-eを選んだ。サンのUNIXサーバーとの組み合わせで,メインフレームが使われていた基幹系システムやデータセンターにおける需要にこたえていきたい」と意気込みを語った。

 UNIXサーバーを使った基幹系システムへの進出を標榜するサンにとって,今回の提携は待ち望んだものだった。サンはこれまで,主にEMCジャパンのストレージを,自社製ハイエンドUNIXサーバーと組み合わせてきた。しかし,「オープン・システムとはいえ,基幹系システムに利用する場合,1メーカーですべての面倒を見てほしいという顧客企業の声が強かった。従来は,こうした要望に十分にこたえることができなかった」(山本恭典製品事業統括本部プロダクトマーケティング部統括部長)。

 今回の提携は,基本的には販売提携である。しかし,「サンのUNIXサーバーとの接続性検証や性能調整,クラスタ・ソフトの動作検証といった作業を徹底して実施した」(山本統括部長)。さらにStorEdge9900のきょう体の色をUNIXサーバーと同じ青紫色の「サン・カラー」に統一するなど,「単なる販売契約よりも,一歩踏み込んでいる」(同)。

 実はサンには,ハイエンド・ストレージに関する苦い過去がある。サンは1998年初め,フランスのストレージ・メーカーを買収して手に入れた製品「StorEdge A7000」を発表した。A7000はUNIXサーバーやメインフレーム,Windowsサーバーを接続できた。さらにUNIXサーバーとメインフレームとで同じデータを共有できるなど,先進的な機能を備えた製品だった。

 しかし,全くといっていいほど売れなかった。当時のサンはストレージのサポート体制が弱かったことや,インターネット系のシステムに注力していたために,メインフレーム対抗を強く打ち出していなかったことなどが原因である。競合他社からは,「A7000が出荷されたのは,世界中でサンと富士通の検証施設に納入された,2台だけなのでは」という声すら聞こえた。結局,サンは1999年末には,A7000の販売を中止していた。

 しかし,基幹系システムへの進出を目指すに当たり,サンはハイエンド・ストレージの製品ラインを拡充する必要性に迫られた。こうした狙いから,今回の日立との提携にいたった。

 サンはStorEdge9900の販売に関して,今後1年で200台という,ややアグレッシブに見える目標を立てている。10月初めには,サンにとって5年ぶりの新モデルとなるUNIXサーバーの最上位機「Starcat(開発コード名)」を発表する見通し。菅原社長は,新モデルとの組み合わせにより,「年間200台という目標は十分達成できる」と話す。(玉置 亮太=日経コンピュータ