NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は11月1日,インターネット上の電子商取引や重要なデータのやりとりを安全に行うサービス「セーフティパス」を提供開始する。ユーザーとNTTコムを,ICカードを利用したIP-VPN(IPネットワーク上に構築する実質的な専用線網)で接続するのが特徴。商業ベースでこの種のサービスを提供している例はほとんどない。

 セーフティパスは,一般消費者の会員向けサービスと,インターネット・モールなどサービス事業者向けサービスで構成。両者をNTTコムの認証・決済機能を持ったサーバーを介して接続する。サービス事業者にはビックカメラやぴあなど30社あまりが名を連ねており,今後も増やしていく計画だ。

 NTTコムは,会員にIP-VPNのクライアント機能をもったICカードとICカード・リーダーを配布する。会員はICカードを使うことで,NTTコムのサーバーと安全にデータをやりとりできる。企業での利用を考え,アドレス変換機能を使ったルーターの配下にあるパソコンから使えるようにした。2002年初めには,プロキシ・サーバーを介した通信にも対応する予定。

 ICカードにIP-VPN機能を組みこむことで,パソコンや回線を変えても簡単に利用できるというメリットもある。NTTコムは,社員が自宅や外出先から自分の企業のサーバーにアクセスするといった利用も想定している。既にNECなど数社が社内向けのサービスとしての利用を考えているという。

 セーフティパスを使った商取引でユーザーが損害を受けた場合,年間50万円までを補償する。NTTコムのeスマートトラストサービス部の遊佐洋部長は,「保険を付けることができたのは,このサービスが高いセキュリティを確保しているから。ネット取引で保険があるサービスは他に例がないのではないか」と自負する。

 会員の年会費は1000円。年会費にはICカードとICカード・リーダーの利用料金も含まれる。今年度中に入会した場合,1年目の年会費が無料になる。NTTコムは,2002年度末までに100万人の利用を見込んでいる。遊佐部長は「IPカンパニーへと変わるNTTコムの事業の中核にしていく」と強調した。

 2002年夏からは,携帯電話からもセーフティパスが使えるようにする。この場合にはICカードは使用せず,各携帯電話に固有の製品番号などを利用して認証を行う予定。遊佐部長は「キャリアにはこだわらない」と語る。

鈴木 孝知=日経コンピュータ