CATV回線を利用するISP(インターネット・サービス・プロバイダー)のアットホームジャパン(http://www.jp.home.com)は11月2日,サービス品質を向上するための技術としてCDN(コンテンツ配信ネットワーク)を導入すると発表した。CDNの導入に合わせて,映画やゲーム,教育向けなど自社のブロードバンド・コンテンツ事業を強化する。

 CDNとは,同一のコンテンツを持つ複数のキャッシュ・サーバーをインターネット上に分散して設置し,利用者からのアクセスを振り分けることで,コンテンツ配信を高速化する方法。

 アットホームジャパンは,CATVのネットワークなど利用者に近いところにキャッシュ・サーバーを設置する。このため自社のコンテンツについては,通信速度のボトルネックの原因になるインターネットを通さずに優先的に配信できる。

 CDNを導入した理由についてアットホームジャパンの廣瀬禎彦社長は,「米国のブロードバンド業界は過剰な競争のせいで,ベンチャー企業が潰れてしまった。現在は,旧AT&Tの大手キャリアによる寡占状態に陥り,料金の値上げが相次いでいる。一方,日本のADSL事業者も激しい価格競争を行っている。CATV回線を利用するISPも少なからず影響を受けているが,この状況が続くと米国企業の二の舞になってしまう。当社は価格面だけでなく,コンテンツなどサービス面で他社との差異化を図り,生き残りをかける」と語る。
 
 2001年10月末時点でのアットホームジャパンの利用者数は,インターネット接続やコンテンツ提供を含めたフル・サービスの利用者が約20万人,このほかにコンテンツ・サービスだけの利用者が約17万人いる。なお,アットホームジャパンは今回,日本で初めてシスコシステムズのCDNを採用した。

鈴木 孝知=日経コンピュータ