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 NEC,NECソフト,米SGI,日本SGIのトップが11月29日勢揃いし,日本のユーザーに向けて,NECグループとSGIの戦略資本提携の狙いを直接説明する。企業戦略をトップ自ら,ユーザー企業に説明するのは珍しい。「日本SGIがNECの子会社になってしまい,米SGIの100%子会社のときと,顧客サービスが変わるのではないか」という問い合わせが多かったことに対処するためとみられる。

 戦略説明は,日本SGIが開催するユーザー向けイベントで実施される。参加するのは,NECソリューションズカンパニーの金杉明信社長,NECソフトの関隆明社長,米SGIのロバート・ビショップ会長兼CEOとイングリム・コウ上級副社長,日本SGIの和泉法夫社長である。

 戦略資本提携は,11月9日に完了した。9日午後3時に,NEC とNECソフトは米SGIに,日本SGIの株式取得の対価として合計で115億円を払い込んだ。内訳は,NECが77億円,NECソフトが38億円。同時に,115億円に相当する日本SGIの株式が米SGIからNEC とNECソフトへ譲渡された。日本SGIの筆頭株主は,NECと米SGI(出資比率はともに40%)になった。残る20%はNECソフトが保有する。

 払い込みに先だって,11月9日午前9時に日本SGIは臨時株主総会を開き,新取締役会のメンバーを選任した。和泉社長と田上桂作CFOが常勤取締役となり,金杉社長,元野村総合研究所の鈴木正慶氏,NECソフトの牧野英克執行役員,NECの加藤奉之支配人,米SGIのビショップCEO,ジェフ・ツェルマーCFOらが非常勤取締役として入った。

 この結果,日本SGIは,「日本企業でありながら,100%外資系企業のときと同じ機能を持つ」という,ユニークな企業となった。日本SGIの経営陣は,新取締役会に諮りながら,経営を舵取りしていく。「100%外資系のときより,より日本に根ざした経営が可能になる」と和泉社長は語る。

 新生日本SGIは,100%外資系のときとまったく同じ活動ができる。米SGIと複数の契約を締結し,米SGIの持つ基本ソフトのソースコードへのアクセス権,SGIロゴの利用権,米SGI製品の国内における独占販売権などを確保したからだ。このため,「日本のお客様に対して,引き続きSGI製品を販売し,サポートできる」(和泉社長)。

 さらに日本SGIは,米SGIの借入金のうち,邦銀からの分を肩代わりした。今後は,日本SGIが借入金を返済していく。米SGIは,こうした借入金が重荷となって株価が低迷していた。米SGIは,孝行息子の日本SGIの力を借りて,なんとか危機を脱したい考えだ。(谷島 宣之=日経コンピュータ