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 「2000年1年間の世界ストレージ市場ではEMCが首位,コンパックコンピュータは2位だった。しかし2001年に,この順位は逆転するだろう。もはやEMCはナンバーワンではなくなった」。調査会社の米IDCでストレージ部門を担当するロバート・グレイ氏はこう話す。

 IDCは,内蔵型と外付け型を含めた,全世界のディスク装置市場の売上高別シェアを調査した。それによれば,2000年実績はEMCが55億8500万ドル,コンパックが52億8400万ドル。これに対して,2001年の予想はEMCが37億6600万ドル,コンパックが43億9600万ドル。米国の景気後退などの影響を受けて両社とも売上が落ち込むが順位は逆転すると予測した。

 グレイ氏はコンパック躍進の理由を,「効果的な将来ビジョンを打ち出したこと」と分析する。「コンパックは複数のストレージを仮想的に一つに見せる『仮想化技術』や,WANをまたいだ広域のSAN,さらに複数ベンダーのサーバーを接続した『オープンなSAN』といったビジョンを早期に打ち出し,実現へ向けて着実に技術開発を進めている」(グレイ氏)。

 一方,EMCに関してグレイ氏は,「同社の主要顧客であるネット関連企業や通信事業者の業績が落ち込んだ。結果としてEMCの業績も打撃を受けた」とみている。

 ただし,外付け型のディスク装置だけを見れば,2001年もEMCは首位を堅持すると予測している。売上高はEMCが37億6600万ドル,対するコンパックは16億4100万ドルである。つまり,EMCは全量が外付け型であり,コンパックは内蔵型のしめる割合が高いことになる。

 こう見るとコンパックも安泰というわけではないようだ。実際,ストレージの仮想化やオープンなSANといったビジョンを示しているのはコンパックだけではない。仮想化を実現するストレージ管理ソフトをすでに出荷しているソフト・ベンダーもあり,コンパックは,「ビジョンの実現」という点において先頭を走っているわけではないからだ。(玉置 亮太=日経コンピュータ