コンパック,KDDI,データセンター事業者のCSKネットワークシステムズ,韓国のソフト会社であるウィットネット(http://www.witnet21.com)の4社が,モバイル向け遠隔操作システムの共同提供で提携した。PDA(携帯情報端末)の利用者が無線を使って,社内にある自分のパソコンを遠隔操作できるシステムを提供する。システム構築サービス「エンタープライズモデル」と,ASPサービス「ASPモデル」の2種類を用意する。

 ウィットネットが遠隔操作ソフトの「Mobilick」を,コンパックがPDAの「iPAQ Pocket PC」を,KDDIが無線通信専用PCカードの「Rapira Card」をそれぞれ提供する。システム構築サービスはコンパックが,ASPサービスはCSKネットワークシステムズが担当する。通信インフラには,KDDIが提供する64Kビット/秒のパケット通信網を利用する。

 Mobilickは,アプリケーションをパソコンで実行し,その処理結果の画面データだけをPDAに転送する。PDAにはパソコンの画面の一部がそのまま表示され,利用者はその画面をスクロールしながら操作する。アイコンなども含めて,パソコンと同じ感覚で操作できる利点がある。この方式でPDAからパソコンを遠隔操作できるソフトは少ない。

 Mobilickを選択した理由についてコンパックのエンタープライズビジネス統括本部の伊藤亮三モバイルビジネス推進本部長は,「パソコンに搭載しているすべてのアプリケーションをPDAから利用できる,という点で最も完成度が高かった。実際に各社のソフトを比べてから選んだので,使い勝手のよさには自信がある」と強調する。

 エンタープライスモデルは2002年1月下旬に提供を開始する。利用者が500人程度の場合,料金はPDAや通信カードの費用も含めて3000万~3500万円程度になるとみられる。ASPモデルは2002年3月下旬から提供。月額料金は通信料を含めて数千円程度になる予定だ。PDAや通信カードは利用企業が用意する。

 ASPモデルの提供が遅れる理由についてCSKネットワークシステムズの二瓶直人取締役は,「このサービスをインターネット経由で利用するには,利用企業のファイアウオールの通信ポートのうち,どれかを空ける必要がある。その方法がまだ具体的に決まっていないので,セキュリティの確保に万全を期するためにスケジュールを考慮した」と話す。

鈴木 孝知=日経コンピュータ