EC(電子商取引)サイト構築ソフトを提供するコマース21の親会社,韓国イーネット(http://www.e-net.co.kr)の河萬汀(ハ・マンジョン)社長兼CEOは,「韓国でアリバやコマースワン,オラクルの製品より売れているBtoB(企業間電子商取引)向けソリューションを2002年4月までに日本市場へ投入し,日本法人のコマース21を再び成長軌道に乗せる」と宣言した。同社のBtoB向けソリューションは,マーケットプレイス構築用,電子調達用など四つの製品がある。

 コマース21は2000年4月からBtoC(消費者向け電子商取引)向けパッケージ・ソフト「Commerce21」の販売を開始し,1年間でソーテックやタワーレコード,ソニー・ファイナンス,楽天ブックスなど約40サイトへ販売した実績がある。韓国ITベンチャーの相次ぐ日本進出の中で,唯一気を吐く存在だった。

 しかし2001年半ばから,ネットバブル崩壊のあおりも受けて販売が伸び悩んだ。新たな収入源と期待して2001年7月に投入した,WebサイトでのOne to Oneマーケティングを実現する「eCRM Suite」も,現時点でまったく売れていない。2001年度(2001年1~12月)の売上高は,当初目標の50%,4億円程度に止まり,黒字転換を果たせないでいる。

 「日本法人は苦戦を強いられている。撤退もあり得るのか」との問いに河CEOは,「日本法人の不調は認識しているが撤退はない。私は日本を機軸としたグローバル戦略を見直すために昨年9月,イーネットに来た。日本での成功なくして世界での成功はない。新製品の投入,新たなパートナの獲得,製品開発の強化で,コマース21を立て直す」と答えた。

 BtoB向けソリューションについて河CEOは,「韓国通信大手のハナロ通信やロッテなど多くの企業へ導入し,2001年は韓国でナンバー1の市場シェアを獲得した。欧米のソフトは韓国や日本の商習慣に合わず,多大なカスタマイズを必要とする。韓国と日本は商習慣が似ているので,日本企業にも受け入れられるはずだ。2002年はBtoB向けソリューションだけで最低300万ドル売りたい」と語った。

 パートナ戦略に関しては,「BtoBはBtoCと違い,システム・インテグレーションの性格が強いので,営業力のある導入パートナの獲得が急務だ。先日,訪問してこられたNTTコムウェアも含め,数社とのアライアンスを計画している。これまでのパートナ企業は,既存顧客が少なく営業力が弱かった」とする。

 韓国コンピュータ・アソシエイツの社長だった河CEOは,2001年9月にイーネットに転籍。イーネットを設立した初代社長兼CEOである朴圭憲(パク・ギュウホン)氏に次ぐ,2代目社長兼CEOに就任した。現在も朴氏は社長兼CEOの肩書きを持つが,2002年3月に開く予定の株主総会での承認を持って,社長兼CEOを完全に河CEOへ譲る。

井上 理=日経コンピュータ