「2002年のIT(情報技術)サービス事業で引き続き手堅いのは,システムの運用・保守だろう。システム開発事業はやや厳しくなる」。IT関連のアウトソーシング事業を営むニスコム(http://www.niscom.co.jp/)の尾上卓太郎社長はこう指摘する。

 尾上社長は,「システムが動いている以上,顧客企業の財務状況が仮に悪くなっても,運用・保守の仕事はそう簡単になくすことはできない。これに対し,ソフト開発への投資は年々抑制される傾向にある上に,開発会社同士の競争が激しくなっている。当社も今年1月に入って,運用サービスは堅調だが,開発サービスについてはやや厳しい傾向が見えてきた」と語る。

 さらに,海外のITサービス企業との競争がより一層激化する可能性を尾上社長は指摘する。「ソフト開発サービスの相場がさらに低下してきたら,これまでのやり方のソフト開発企業は生き残れないかもしれない。システム運用サービスが元気な間に,新しいビジネス・モデルを考えることが必要だ」。

 ニスコムの2001年度決算(2001年12月期)の連結売上高は128億円となり,前年同期と比べ43%成長を達成した。急成長の理由の一つは,同業他社を買収し,グループ企業に加えたことだ。

 ただし尾上社長は,「顧客企業はITサービス企業を選択するときに,企業買収で業績を伸ばすITサービス企業に注意しなければならない」とも指摘する。「企業買収をした企業の多くは,2年連続増収という。1年目は,買収してから期末までの数カ月分の売上を買収企業の売上高として計上するのに対し,次の年には買収企業の1年分の売上高が丸々自社の売上高として計上できるからだ」(尾上社長)。

 こうしたことから尾上社長は,「その企業が本当に順調かどうかは,連結ではなく,本体単独の事業で成長しているかどうかを見る必要がある」という。ちなみにニスコムの2001年度単体売上高は102億円で,前年に比べ20%成長した。(鈴木 孝知=日経コンピュータ