マイクロソフトの古川亨氏(右)とキース・ホワイト氏(左) マイクロソフトは2月19日,Windows XPを搭載するパソコン上のデータを専用ディスプレイ装置に無線で表示する技術「Mira」(開発コード名)を発表した。Miraを使うと,家の中のどこからでもパソコン上の動画や音楽といったコンテンツにアクセスできる。同社の家庭向け戦略(eHomeと呼ぶ)の中核を成す技術の一つである。

 マイクロソフトは同日に,NEC,富士通,松下電器産業,ソーテックという国内のパソコン・ベンダー4社と,Mira対応パソコンの開発および製造で業務提携したことも発表した。「パソコン・ベンダーと協力して,Mira対応のパソコンを国内のコンシューマ向けに2002年の年末商戦に投入していきたい」と,米マイクロソフトでコンシューマ戦略(日本担当)を担当する古川亨バイス プレジデント(写真右)は意気込む。

 Mira対応のディスプレイ装置は,OSやプロセサ,メモリーを備える“コンピュータ”である。OSとして,米マイクロソフトが今年1月に発表した組み込み機器向けの「Windows CE.NET」を搭載。組み込む際のOSの容量は200KB程度という。

 プロセサとメモリーは,無線通信や画像表示などの処理に使うもので,ディスプレイ装置上でアプリケーションやコンテンツを実行させるわけではない。用途を絞ることで,軽量化を図ったという。無線通信には,最大データ伝送速度11Mビット/秒の無線LAN規格「IEEE 802.11b」などを用いる。

 マイクロソフトはMira対応のディスプレイ装置はさまざまな形態をとると想定している。米マイクロソフト エンベディッド アプライアンス グループのキース・ホワイト シニアディレクター(写真左)は,発表会でタッチ・パネル型のディスプレイ装置を紹介した。専用のクレードル(台座)に設置すれば,通常の平面型ディスプレイとして利用できる。「Mira対応製品は,タッチ・パネル型だけでなく,テレビやプロジェクタといったさまざまな形態のものが登場するだろう。これが実現すれば,パソコン上に保存した映像データをワイヤレスでMira対応のプロジェクタで表示させることも可能になる」と,ホワイト氏は語る。

 ディスプレイ装置とデータをやり取りするパソコンは,Windows XP Professionalと無線通信機能を備えている必要がある。マイクロソフトは今年の年末商戦に向けて,Windows XP Professionalに,Miraを利用するための機能を追加していく予定だ。

西村 崇=日経コンピュータ