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ph1.jpg 「プロジェクトマネジメントは,システム開発や製品開発はもちろん,経営上の問題解決にも役立つ。情報システムの仕事に従事しているエンジニアが,プロジェクトマネジメントのスキルを獲得すれば,経営(マネジメント)に参画する道も開ける」。米IBMでプロジェクトマネジメント推進部門の責任者を務めるキャロル・ライト氏に,「日本のIT(情報技術)エンジニアへのメッセージが欲しい」と依頼したところ,こんな回答が返ってきた。

 ライト氏は,米IBMの「プロジェクトマネジメント・センター・オブ・エクセレンス」の責任者である。この組織は,さまざまなプロジェクトから得られたノウハウを蓄積するほか,IBM全体のプロジェクトマネジメントの標準手法を定めたり,プロジェクトマネジメント専門職の認定をしている。

 「テクノロジの変化は非常に早い。エンジニアはテクノロジに左右されないスキルを身に付ける必要がある。その代表格が,プロジェクトマネジメントである。複雑な仕事をもっとうまくやれるようになるし,キャリアパスも広がる」(ライト氏)。

 実際,IBMにおいては,プロジェクトマネジャ出身の経営幹部が出てきているという。パソコンの開発部門に長く在籍し,製品開発のプロジェクトマネジャを務めてから,現在の要職についたライト氏本人もその一人と言える。

 では,どうしたらプロジェクトマネジメントのスキルを身に付けられるのか。ライト氏は,「プロジェクトマネジャのコミュニティを作り,そこで経験を披露しあって,研鑽することが大事」と語る。「単に教室でプロジェクトマネジメントを学び,実践するだけでは足りない。コミュニティに参加し,自分のノウハウを提供する一方,コミュニティから学ぶことが欠かせない」。

 ライト氏の組織は,こうしたIBMのプロジェクトマネジャのコミュニティの事務局も兼ねている。「IBM社内にプロジェクトマネジャ職は大昔からあったが,他の専門職に比べ,孤立していた時期があった。1996年から,IBM全社でプロジェクトマネジメントを推進することが決まり,それからコミュニティを作り,大きな効果を挙げることができた」(ライト氏)。

谷島 宣之=日経コンピュータ編集