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 日本IBMが,メインフレーム「e-server zSeries」を対象にした災害対策サービスを強化する。本番環境が設置されたサイト全体が被災した場合に,遠隔地のサイトに設置した待機環境上に,本番と同様の環境を全自動で再構築できるようにする。日本IBMによると,こうした待機環境の構築サービスをメニュー化したのは,同社が国内で初めてだという。4月9日から提供する。

 一般に,本番と同様の環境を待機環境の上に再構築するためには,待機環境でのアプリケーションの起動,本番環境から待機環境へのデータの移動,新たに起動したアプリケーションから移動されたデータにアクセスするためのパスの設定といった作業が必要になる。日本IBMの新サービスを利用して待機環境を構築すれば,これら一連の作業が全自動でできる。「災害発生時の復旧作業は手間どることが多い。あらかじめ全自動化しておくことで,復旧に要する時間を短縮することができる」(日本IBMの和田昌佳ストレージ・システム製品事業部長)。待機環境の構築サービスを利用した米国のユーザー100社では,本番と同様の環境を待機環境の上に再構築するのにかかる時間が平均45分ですんでいるという。

 待機環境は,IBMメインフレーム用のクラスタ技術「Parallel Sysplex」を使って構築する。本番マシンと待機マシンが,クラスタを構成するノードになる。日本IBMは,遠隔地の異なるサイトに設置したメインフレームをノードとしたクラスタを構築できるよう,Parallel Sysplexの機能を強化してきた。ノード間の接続にはパワードコム(東京都中央区)が提供する光ファイバ回線を利用する。待機マシンのアプリケーションの起動には,Parallel Sysplexが提供するフェイルオーバーの機能を利用する。データの移動に関しては,本番・待機環境間でネットワークを通じて常に同期を取る仕組みを用意しておく。

 このサービスの料金は5000万円から。日本IBMでは,大手金融機関などの利用を見込んでいる。

森 永輔=日経コンピュータ