VISAジャパングループの三井住友カード(http://www.smbc-card.com/)が顧客情報の分析・活用システム「Voice Forth」を構築,4月から利用を開始した。顧客(会員)の属性や利用履歴などの定量データ(数値データ)と,コールセンターで受けた顧客からの要望,顧客からの電子メール,インターネットで取得したアンケート結果などの定性データ(テキスト・データ)を,連携させて分析できるのが特徴。分析結果を社内のイントラネット上で共有し,商品開発やマーケティング戦略などに役立てている。

 同社は2000年から,数値データを対象としたデータ・マイニングのシステムを利用している。またコールセンターでは2000年から,顧客からの電話の内容をテキスト・データとして保存していた。古西建マーケティング企画部長兼営業統括部長はVoice Forthの構築のきっかけについて,「2001年の4月ごろ,ずっと貯めていたテキスト・データの分析を始めようとした。当初はExcelの利用を検討したがデータ量が多すぎて断念し,テキスト・マイニング・ソフトによる分析システムを構築することにした」と話す。

 テキスト・データの分析には,コマツソフトのテキスト・マイニング・ソフト「Vext Miner」を使用。数値データの分析には,SASインスティチュート ジャパンのデータ・マイニング・ソフト「Enterprise Miner」を使用する。「まず,テキスト・マイニングでテキスト・データを数値化して分類した上で,その結果を数値データと合わせてマイニングしている」(土井淳平商品サービス開発部(東京)部長代理)。生データは数値,テキストともにSASのデータベースで管理している。

 一般の社員は社内のイントラネットに公開された分析結果を見ることができるほか,「気になる情報はSASのデータベースをドリル・ダウンして,コールセンターで入力された生の声を見ることも可能」(土井部長代理)。公開される分析結果には,結果に対応すべき部署が明記されており,どのように対処したかを書き込むシステムも作られている。「すでに,コールセンターに集まった顧客の声の分析から,185の改善案件を見つけ,一部対応も合わせて52件に対応済みだ」(土井部長代理)。

 「Voice Forthを構築する前は,コールセンターに集まった顧客を一覧しようと思ったら,コールセンターの資料室まで行かなければならなかった」と同システムのユーザーである竹尾克美商品サービス開発部長は振り返る。竹尾部長は,「Voice Forth以前のデータ・マイニングで分かるのは“春には学生の解約が多い”というような結果だけで,その理由は勘に頼って考えていた。実際にテキスト・マイニングの結果を見て,今までの勘が外れていたこともあった」と言う。

(島田 優子=日経コンピュータ)