「ノベルのお客様は“カスタマ”から“クライアント”になる。単なる“当社パッケージの消費者”ではなく,“課題を解決するために当社を利用する依頼主”という位置付けだ。つまりノベルはソフトウエア製品だけでなく,サービスを提供する企業になる」。ノベル日本法人の吉田 仁志社長は5月13日,同社の新戦略「The New Novell」の発表会でこう語り,コンサルティング事業を強化する姿勢をいっそう鮮明にした。

 この方針に則って,今後ノベルはコンサルティングの社内標準を整備し,提案の質を高めていく。さらに,同社が「ITの利用環境を整える」という意味で使用している「プロビジョニング」事業の市場リーダーとしてアピールしている。事例も増やす。

 プロビジョニングとは,システム利用者の使い勝手を向上させるための取り組みのこと。吉田社長は「当社のディレクトリ・サービス製品を使って,認証やシングル・サインオン,役職による利用権限の変更などを実現すること」と説明する。「これまでの事業形態とあまり変わらないように思える」という記者の質問には,「ディレクトリ・サービス製品の販売だけの事業と,IT利用環境を整えるサービスとは大きく違う。よりビジネス的な観点と顧客中心の視点で提案を進める」と吉田社長は反論する。

 コンサルティング事業の拡充には,米ノベル子会社である米ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズのノウハウをフル活用する。ケンブリッジ日本法人が製品の導入支援までを担当する。しかし,ノベルはケンブリッジ以外のコンサル企業や,インテグレータとも積極的に事業を進めていく予定だ。吉田社長はケンブリッジ日本法人の社長も兼務しているが,「ケンブリッジはパートナ企業の1社に過ぎない」と断言した。

矢口 竜太郎=日経コンピュータ