グリッドノードのロー ディレクタ ピア・ツー・ピア(PtoP)ソフトの開発・販売を手がける米グリッドノード(http://www.gridnode.com/)は,7月をメドに日本支社を設立する。グリッドノードは日本支社設立後,国内のベンダー数社と交渉を開始し,製品販売を担当する合弁会社を発足させる方針だ。

 PtoPは,ネットワークに接続したパソコン同士が直接データをやり取りして,データを共有する技術。グリッドノードは,複数の企業や部署でデータを共有するPtoPソフト「GridTalk」を開発・販売している。GridTalkは,企業間で共有する情報を「ロゼッタネット標準」に準拠するXML(エクステンシブル・マークアップ・ランゲージ)形式のデータで共有できるのが大きな特徴。ロゼッタネット標準とは,電子部品や半導体,情報機器を対象とした企業間電子商取引の標準規約のことである。

 「当社は,米シーゲイト・テクノロジーなどの有名な企業を顧客に擁している。この実績をもとに,サプライチェーン管理(SCM)などに取り組む日本の企業へ積極的に売り込んでいきたい」と,グリッドノードのチー・トン・ロー ディレクタ(写真)は意気込みを語る。シーゲイトは2000年からGridTalkを使い,ディスク製品の販売予測データや製品在庫データを約200社の取引先企業と共有している。取引先企業には,製品の物流業務のアウトソーシング先である米UPSや,ディスク製造の委託先企業,部品供給企業が含まれる。

 シーゲイトはGridTalkを導入することで,UPSが管理する製品在庫の状況を把握できるようになった。導入前は,製品在庫の状況を逐一把握することができなかった。一方,製品在庫の状況といったデータは,GridTalkを使ってディスク製造の委託先企業や部品供給企業などにも提供している。シーゲイトは,Oracleのデータベースや米i2テクノロジーズのSCMシステムといった社内システムのデータを,GridTalkを使ってロゼッタネット標準のデータに変換して,他企業とやり取りしている。

 「GridTalkを導入した結果,在庫予測の精度が上がって過剰な在庫を減らすことができた。このため,UPSの倉庫で製品を管理してもらう期間を2週間から5日に短縮できた。管理期間を短縮することで,シーゲイトはUPSに支払うサービス料金を2年間で800万ドル節約することになる」と,ロー ディレクタは説明する。

 GridTalkの価格は,8500ドル(2企業間でデータをやり取りする場合)から。動作OSは,Windows98/NT/2000,UNIX,Linux。複数の企業で共有しているデータの一部の値が大きく変動すると,各企業の担当者に通知する機能もある。“ある販売店の在庫が極端に減少した”といった事態が発生したときに,担当者に警告するといった用途に利用できる。

西村 崇=日経コンピュータ