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 日本テレコムは,社内のオープン系サーバー18台を接続したストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)を4月から稼働させた。同社は,神奈川県川崎市にある梶が谷センターに,SANを構成するストレージ機器を設置。営業支援,経理といった,同センターにある4種類の業務システムを段階的にSANに接続したうえで,最後に顧客システムのデータ(約1.7TB)の移行を今年3月に完了させた。

 SANを構成するストレージの総容量は18.48TBにのぼる。9.24TBの容量を備える日本IBMのストレージ「Enterprise Storage Server(ESS)」を2台使用している。これらのストレージには,6台のファイバ・チャネル・スイッチを介して上記5種類のオープン系システムからアクセスする。オープン系システムには,Windows NT,AIX,hp-uxのサーバーが混在している。

 今回新たに接続した顧客システムはこれまで,SCSIディスクで構成するダイレクト・アタッチト・ストレージ(DAS)を使っていた。DASはサーバーに直結して利用するストレージのことである。「SANに切り替えることにより,顧客システム上のデータをバックアップする時間が大幅に短縮できた。これまで4時間30分程度かかっていたのが,2時間足らずでできるようになった」と,日本テレコム 情報システム本部システム基盤部IT基盤グループの岡平隆マネジャーはSANの導入効果を語る。

 日本テレコムは,5種類のオープン系システムをSANに接続することで,ストレージ資源の有効活用を目指す。「SANを利用すれば,容量不足になっているシステムにストレージの空き容量を自由に割り当てることができる。従来は,ストレージ機器を新たに用意するといった手間がかかり,作業に数カ月かかっていた。今後は1日から2日程度のうちに各システムのストレージ不足を解消できる」と,日本テレコム 情報システム本部システム基盤部IT基盤グループの森和浩 課長代理は期待する。

 顧客システムのデータ移行は3月中の週末2日間を使って完了した。日本テレコムは,既存のDASからSAN上のESSへ移行するのに,ミラーリングを利用した。このミラーリングには,顧客システムが稼働するUNIXサーバーのOSが備える機能を使った。「OSのミラーリング機能を採用したのは,最も少ない作業手順で移行できるからだ。通常のファイルのコピーなど他の方法も検討したが,作業手順が増えて,移行時にケアレス・ミスが発生する可能性が高くなるため採用を見送った」(森 課長代理)。

 日本テレコムは,顧客システムなどが接続するSANのほかにも,日本IBMのESSを導入している。千葉のセンターで独立して稼働する営業支援システムを,11.2TBのESSと接続して稼働させている。オープン系システムに先行して,2000年9月から2001年の4月にかけてメインフレーム用のストレージも設置。メインフレーム用ストレージは,12.18TBのESSと,31.2TBの容量を備えるEMCの「Symmetrix」を併用している。日本テレコムが導入したストレージの総容量は合わせて73.06TBに達する。

西村 崇=日経コンピュータ