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 「『仮想化(バーチャリゼーション)』という言葉の定義はあいまいだ。当社は仮想化という言葉に頼らず,なるべく具体的な製品や機能で市場に訴えたいと考えている」。ストレージ製品大手,米EMCのドン・スワティック アライアンス/情報科学担当バイスプレジデントはこう話す。

 スワティック氏によれば,EMCは今後9カ月から1年の間に,ストレージ管理ソフト製品を大きく強化していく。「オート・プロビジョニング,プレゼンテーション,モビリティの三つが製品強化の重点分野だ」(スワティック氏)。

 オート・プロビジョニングは,アプリケーションの実行中にデータ領域などの容量が不足した場合,システムが自動的に必要な容量のストレージを割り当てる機能。プレゼンテーションは,EMC製以外のストレージ製品も,同一の画面で管理できるようにするものだ。

 モビリティは,あるデータ・セットのコピーを,他の拠点に設置したストレージに作成したりする機能である。EMC製ストレージ同士なら現在でも可能だが,他社製ストレージとの間でもコピーできるよう強化する。いずれの機能も,異なるベンダーのストレージ製品を利用するユーザー企業の運用負荷を軽減するのに役立つ。

 これらの機能は,市場では「仮想化」と呼ばれている。EMCのほか,米IBMや日立製作所,米ベリタスソフトウェアや米ヒューレット・パッカードなどが開発にしのぎを削っている最中だ。中でもEMCは,仮想化ソフトをはじめとするソフト事業を拡大させる方針を明確にしている。2001年末に22%だったソフト事業の売上比率を,2003年末までに30%に引き上げる計画である。

 それでもスワティック氏は「仮想化」という表現を嫌う。「たとえばRAIDの技術だって,複数の物理ボリュームを一つの論理ボリュームとみなす点で仮想化と言える」。

森 永輔=日経コンピュータ