富士通の前山淳次常務は,“プラットフォーム・インテグレーション”と呼ぶ新しいサービス事業分野が今後注目されるだろうという。富士通のハードウエア事業部門で戦略立案を担当する前山常務が“プラットフォーム・インテグレーション”と呼ぶのは,多種多様なハード製品とミドルウエアを組み合わせて,24時間365日の連続稼働にも耐える高い可用性を備えつつ,高い拡張性を持つシステム基盤(プラットフォーム)を構築するサービスだ。従来型のシステム・インテグレーションから,業務アプリケーションの設計・開発部分を除いたものとも言える。

 「ユーザー企業がやりたいのは,業務の高度化や効率化だ。しかし,オープン化やネットワーク化が進むにつれて,プラットフォームの開発と運用が非常に複雑なものになった。ユーザー企業や,プラットフォームにあまり強くないシステム・インテグレータが適切なプラットフォームを構築・運用しようとすると,技術者を育てるのに多くの時間とコストを費やす必要がある」(前山常務)。そこで,富士通のように数多くのハード製品とミドルウエアを自前で持つベンダーがプラットフォーム構築を行った方が,質の高いプラットフォームを短期で構築できるというわけだ。「もちろん,富士通製品ですべて固めるというわけではない」(同)。

 自らが“プラットフォーム・インテグレータ”としてユーザー企業に選ばれるため,また他のプラットフォーム・インテグレータに製品を採用してもらうために,富士通はサーバー,ストレージ,ネットワークの3分野の製品を対象に「Triole(トリオーレ)」と呼ぶ機能強化計画を推進している。Trioleは3分野の製品の仮想化と自律化を高める取り組みで,米IBMが進めるeLizaプロジェクトに対抗するものだ。

 たとえば,インテル製プロセサを搭載するブレード・サーバーでは,1000台程度のブレード群を一つのプロセサ・プールととらえ,このプールの上で複数のOSを稼働させ,必要に応じて各OSにブレードを割り当てられるようにする計画だ(本誌7月15日号17ページ「“自律”するサーバーを目指せ」参照。http://itpro.nikkeibp.co.jp/NC/members/NC/REPO/20020708/1/日経コンピュータ読者限定)。早ければ2003年夏にも実現する予定である。

(森 永輔=日経コンピュータ)