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岡山県新見市が導入する電子印鑑システム 岡山県新見市は7月22日,電子印鑑システムの実証実験を開始した。これに先がけ新見市は6月23日に,市長・市議会議員選挙で日本初の電子投票も実施している。

 電子印鑑システムとは電子文書に電子的ななつ印をすることで,本人確認や承認の印とするもの。新見市の実験では,印鑑と似た形状を持つスイッチとタブレットを使い,実際の押印と同じような動作で電子なつ印をすることがポイントだ(写真)。システムはシヤチハタ,ワコム,日商岩井の3社が共同で開発した。シヤチハタの舟橋紳吉郎社長は「ハンコそのものをなくして,別の承認手段を用意する手段もあるが,従来の“ハンコ文化”を受け継げば,利便性がいっそう高まる」としている。

 電子印鑑システムを使うには,専用のハンコである「電子印鑑」に加えて,なつ印台代わりのタブレットが必要だ。クライアント・パソコンに接続したタブレットのうえで電子印鑑を動かすと,パソコン画面上のカーソルも動く。電子印鑑をなつ印したい位置にカーソルを合わせて,電子印鑑のボタンを押すと,電子文書に印影を表示できる。「電子印鑑に埋め込まれた印鑑固有のIDが,クライアント・パソコンから専用のサーバーに送られる。サーバーはIDに該当する印影をクライアント・パソコンに返すことで,捺印が完了する」(ワコムの市川秀明EHIカンパニープレジデント)。

 新見市の実験は,「出張命令書」と「出張精算」を対象に,2003年3月末まで実施する。「自治体は情報技術を積極的に取り入れて行政を効率化していくべきだ。そうしないと,日本の社会は成り立たなくなる。失敗を恐れずに,新しいことにどんどん挑戦していきたい」。新見市の石垣正夫市長は,電子印鑑システムをはじめ,情報技術を積極的に導入する目的をこう強調する。

 シヤチハタ,ワコム,日商岩井の3社は,電子印鑑システムを一般企業やその他の自治体にも販売する。価格は,電子印鑑とタブレット,クライアント用ソフトの一式で,1セット当たり1万3800円。サーバーの構築費用などが別途必要。2002年11月から出荷する。

大和田 尚孝=日経コンピュータ