「情報システムを導入した際の効果はすべて金額で表す必要がある」と情報システム導入のコンサルティング会社ストック・リサーチ(http://www.stockresearch.co.jp/)の大和田崇社長は主張する。

 情報システム部門の担当者がりん議を通す際に,システムの効果として“業務効率の向上”をかかげる場合がある。大和田社長はこれについて,「その言葉では何のためだかよく分からない」と言う。「システムによって作業時間が短縮したとしても,従業員が業務と無関係なWebサイトを見る時間が増えるだけ。人員を削減しなければキャッシュ・フローには跳ね返らない」。

 正確にシステム導入の効果を測定するためには,システムを使って何がしたいのかを金額で表さなければいけないと指摘する。「システムの導入理由は突き詰めると必ず金額に落としこめる。例えば,顧客満足度を向上したいという理由だけでCRM(カスタマ・リレーションシップ・マネジメント)システムを導入する,というのではダメだ。顧客満足度が上がらないのなら何が問題なのかをさらに考える必要がある。そうすれば,『客単価が上がらないから』といった理由が出てくる。当然このシステムを使うことで『客単価をいくらまで上昇させたい』という目的が発生する」(大和田社長)。

 システム導入効果の目標となる金額を示したら,システム構築費と比較する。目標金額よりも構築費の方が多い場合はそのプロジェクトはやめるべきだと判断できる。

 システム構築費の算出方法もこれまでのようにベンダーから相見積もりを取るだけではダメだという。「ユーザー企業が独自に算定するコスト見積もりを行うことが理想だ。その方法として,当社ではファンクション・ポイント法や回帰型構造的モデル(COCOMO)などを組み合わせた手法を勧めている」(大和田社長)。

(矢口 竜太郎=日経コンピュータ)