日本テレコムは8月1日,電話による音声応答サービス「Voizi Enterprise Solution」の提供を開始した。特徴は,電話でやり取りする定型の会話を自動化できること。日本テレコムは企業への導入を想定しており,2003年度末までに50社への販売を目指す。目標売上金額は,2003年度単独で8億円。

 Voizi Enterprise Solutionは,音声を文字データに変換する機能を備える。あらかじめ登録した単語を検知して,音声データに置き換える仕組みだ。質問の内容が限られる会話で威力を発揮する。例えば,同サービスのラインアップの一つである「Voizi Enterprise Solution 情報提供セルフサービス」では,株価情報を問い合わせる場合,音声の中に含まれる単語と,あらかじめ登録された銘柄名をマッチングさせることができる。

 株価を知りたい利用者は,証券会社の指定先に電話をかけて,氏名や株価を知りたい銘柄名を声で伝える。すると,日本テレコムの用意する「音声認識プラットフォーム」が音声を解析し,データに変換して証券会社のシステムに送る。音声認識プラットフォームは,証券会社のシステムから回答を受けた株価データを再び音声に変換。利用者に音声で株価を伝える。

 日本テレコムは情報提供セルフサービスのほかにも,Voizi Enterprise Solutionを活用した具体的なサービスを用意している。例えば,ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)向けの「Voizi Enterprise Solution ISP障害情報提供サービス」では,ISPの会員に対して障害情報を音声で提供する。例えば,会員がISPの指定先に電話をかけて「メール」と言えば,それに対して「メール・サービスは現在,ネットワークのトラブルで休止しています」のように自動応答する。

 ISPは同サービスを,ネットワーク障害が発生したときの会員との連絡手段として利用できる。「ISPは障害情報をWebサイトに載せてもあまり意味がない。ネットワークに障害が起きれば,会員はWebサイト自体にアクセスできなくなるからだ」(日本テレコム 法人事業本部ソリューションマーケティング第1部 CIBプロダクト&プロモーショングループの三宅富男マネジャー)。

 営業担当者が外出先から音声で勤怠情報を入力できる「Voizi Enterprise Solution 勤務管理サービス」などもある。これ以外にも,「医療機関の診療予約など,音声応答の仕組みを生かしたサービスを用意していく」(三宅マネジャー)。

 音声認識プラットフォームは,日本テレコム内に用意する。企業がVoizi Enterprise Solutionを使うには,日本テレコムのVoiziデータセンターと自社のシステムをインターネット経由で接続する。利用料金は,Voizi Enterprise Solution ISP障害情報提供サービスの場合で,初期導入費用が10万円。月額基本料金が10万円。月額利用料金は,1000コールごとに2万円。アプリケーション構築費用は,コンテンツ構築費用が200万円。それ以外は別途,個別見積もり。Voizi Enterprise Solutionの利用者がVoiziデータセンターに電話をかける通話料は,別途発生する。

 音声認識プラットフォームは,オムロンが提供する音声認識システム「Nuance音声認識システム」を利用する。Nuance音声認識システムは,電話を経由した音声を認識する機能に特化した製品である。

大和田 尚孝=日経コンピュータ