通信ソフト専門ベンチャーのグローバル・ネットワーク(http://www.global.co.jp/)は10月から,市販の電子メール・ソフトとの間でファイル転送の自動化やシステム間連携を実現できるソフト「Mail Connect」を発売する。企業間のEDI(電子データ交換)用途に向けた製品で,ファイアウォールが介在しても複雑な設定なしにインターネット経由でファイルを交換できる。受信側の業務システムが停止していても,メール・サーバーが一時保管するので,蓄積型VAN(付加価値通信網)サービスのように確実なファイル転送ができる。

 ファイルを自動送信する場合,「Mail Connect」を搭載したWindowsパソコンからアクセス可能な特定のディレクトリ(送信フォルダ)ごとに送信先を指定しておく。そのディレクトリにファイルを保存するだけで,メールの添付ファイルとして自動送信される。アプリケーションから指定のディレクトリにファイルを書き出すようにしておけば,送信を完全に自動化できる。

 逆に相手からメールに添付されて送信されてくるファイルも,送信元やファイル名,メールの件名などの条件で設定したディレクトリ(受信フォルダ)に自動的に保存する。さらに「Mail Connect」のAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を使うと,受信が完了したら所定のアプリケーションが起動するように設定できるので,受注データを即座に処理するようなシステム間連携を実現できる。

 グローバル・ネットワークは約2年前に,メール・プロトコルを使って専用ソフト同士でファイルを転送し自動処理できるソフト「e-速達便」を発売。IHI(石川島播磨重工業)など大手企業を中心に,これまでに約900本を販売したという。「主に国内と海外の拠点や工場,販売会社などを結んで,設計データや受発注データを交換する用途に使われている。送受信ログの保存やデータの自動バックアップ機能もあるため,従来国際VANサービスが使われていた業務用途を代替しているケースが多い」(グローバル・ネットワークの山崎康宏社長)。

 「Mail Connect」は「e-速達便」からファイルの暗号化や圧縮機能を除き,送受信先の企業には専用ソフトを導入しなくても,市販の電子メール・ソフトでファイル交換ができるようにした。同様にメール転送プロトコルでファイルを転送する機能を持つミドルウエア製品もあるが,「Mail Connect」は単機能に絞り込んでおり,他社製品の3分の1以下のコストに抑えたという。

 「Mail Connect」の価格は18万8000円,グローバル・ネットワークでは初年度500本の販売を見込んでいる。

(千田 淳=日経コンピュータ)