プラットフォーム コンピューティングのローゼンマン氏 「バイオ関連の企業では、遺伝子やたんぱく質に関するデータが毎月T(テラ)バイト単位で増える。研究員にとっては、この大量データをどれだけ効率的に解析できるかが、研究成功のカギを握る」。こう語るのは、カナダのソフト会社、プラットフォーム コンピューティングのユーリ・ローゼンマン チーフ・サイエンティスト。「遺伝子解析を手がけるある企業では、ストレージの総容量を毎月100Tバイトずつ増やしている」と続ける。

  チーフ・サイエンティストの肩書きをもっていても、そこは欧米のソフト会社。ローゼンマン氏はグリッド・コンピュータ構築用ソフト「Platform LSF」を開発・販売するプラットフォーム コンピューティングで、ソフト開発のかたわら、販売やマーケティングも担当している。今回の訪日の目的も、同社製品の導入事例を日本のバイオ関連企業で紹介すること。ローゼンマン氏は「当社のソフトを導入すれば、大量データを簡単に解析処理できる」と自社製品の優秀さをアピールする。同社は1999年に日本法人(http://www.platform.co.jp/)を設立している。

 同社製品のユーザーに、米国の製薬会社メルク・ファーマスーティカルがいる。メルクは1996年からPlatform LSFを使ってグリッド・コンピュータを構築している。Linux搭載機とSolaris搭載機を合わせて、700プロセサ分の処理能力を生かして、分子構造の計算などを実施している。

 さらにメルクは、プラットフォームの演算処理支援ソフト「Platform LSF JobScheduler」のユーザーでもある。このソフトを使うと、演算に必要な式やパラメータの設定が簡単にできる。「これまではPerlで2~3週間かけていた処理内容の記述が3時間程度で済むようになった。その分、メルクの研究者は研究に専念できるようになった」とローゼンマン氏は説明する。

西村 崇=日経コンピュータ