NECは11月1日から、パソコン事業の新しいSCM(サプライチェーン管理)システムを稼働させた。同システムにより、販売計画の立案から生産・出荷までが従来より1週間短い、4日になる。投資額は約30億円。納期の短縮による在庫圧縮や機会損失の防止などで、年間40億円の投資効果を見込む。

 NECは新SCMシステムの導入とその他のリストラ効果などで、パソコン事業を下半期にも黒字化したい考え。同社は事業ごとの利益を公表していないが、日経コンピュータの推定では、2001年度で約300億円の赤字、今年度の上期も100億円を越える赤字である。

 新SCMシステムは二つの機能を持つ。販売店の直近の販売状況や在庫状況、過去の販売実績、季節などを考慮して需要を予測し、販売計画を立てる「販売側システム」と、国内外の部品ベンダーから部品が調達可能かどうかを一元的に把握し、生産計画を立てる「生産側システム」からなる。販売側システムの一部は8月から稼働を開始していた。

 NECはこのシステム刷新を一連のパソコン事業立て直し策の中でも最大の“山場”と捉えている。同社は昨年10月にパソコン事業に関連する子会社を再編するなど、パソコン事業の建て直しを進めていた。

 パソコン事業における在庫圧縮は、メーカー各社にとって最重要事項になっている。日本IBMも今年7月に、パソコンの直販事業でSCMシステムを刷新し、それまで10日ほどかかっていた受注から出荷までの期間を3日以内に抑えた。

(矢口 竜太郎=日経コンピュータ)