インターネット専業銀行のイーバンク銀行(http://www.ebank.co.jp/)は新しい送金サービス「メルマネ」を11月2日から開始した。同行の顧客は送金したい相手のメール・アドレスと名前をパソコンや携帯電話から指定すると、イーバンク銀行口座から相手の口座に送金できる。イーバンクは今年7月から送金サービスを開始しているが、今回のサービス内容の拡充でイーバンク以外の銀行の口座にも送金できるようにした。今年末までは、他行への送金手数料は無料にするという。

 「メルマネを利用することで顧客は、従来のように送金先の口座番号などを調べる必要はない。新サービスを機に、来年3月までに口座数を現在の2倍にあたる80万口座に増やしたい」と、イーバンク銀行の若山健彦代表取締役副社長は意気込みを語る。イーバンクの口座数は、昨年7月の開業以来で36万口座。

 新しい送金サービスの仕組みは次の通り。(1)送金したいイーバンクの顧客はパソコンやインターネット接続機能付き携帯電話からイーバンクの専用Webサイトのアクセスし、送金したい相手の名前とメール・アドレスを入力する。(2)イーバンクのWebシステムが受け付けたメール・アドレスにメールを送信。メールには受け取り専用のWebページのURLが書かれている。(3)メールを受け取ったユーザーは、メールに書かれたイーバンクのWebページにアクセスしてユーザー認証をした後、受け取る口座などを指定する。

 ユニークなのは、送金を受け取るユーザーが本人かどうかを確認する方法だ。受取人向けの専用Webページから入力してもらう名前や会社名を利用する。受け取るユーザーがWebサイトから入力した名前が、送金者が登録した名前と一致しているかどうかを調べる。ユーザー認証に名前や会社名を利用するので、イーバンクが受取人に送信するメールには、受取人の名前は一切記されない。

 新しいサービスを開始するにあたって、イーバンク銀行はサブ・システムを半年かけて構築した。サブ・システムは、Webアプリケーション・サーバーとメール・サーバーからなる。Webアプリケーション・サーバーは、日本BEAシステムズのWebLogicを搭載し、Javaで開発した。

 開発したのは、イーバンクに口座を持たない受取人向けの手続き処理やメール送信などの機能を持つアプリケーションである。新しいサービスを開始するにあたり、かかった開発費用は数千万円。システム・インテグレータとして伊藤忠テクノサイエンス、日立製作所などが参加した。イーバンクは基幹システムをすべてUNIXサーバーで稼働させている。

 イーバンク銀行の若山副社長は、「メルマネは開業前の2~3年前から導入を検討していた。当行のサービスはこれまで電子商取引サイトの決済などで利用されているが、メルマネの開始をきっかけに個人顧客同士で送金するといった新しいニーズにもこたえていきたい」と語る。イーバンク銀行は決済サービスに特化したネット専業銀行。これは他のネット専業銀行と比べると大きな違いである。

西村 崇=日経コンピュータ