「企業は今、IR(インベスター・リレーションズ)に本格的に取り組むべき時期に来ている。不透明な会計報告をしているようでは、銀行はお金を貸してくれなくなる」。こう指摘するのは、会計ソフトを販売するエス・エス・ジェイ(http://www.ssjkk.co.jp/)の佐藤祐次社長だ。IRとは、企業が株主や金融機関、投資家、顧客などに向けて自社の財務状況を公開すること。商法上で定められた貸借対照表や損益計算書などの財務諸表とは別に、部門別や製品別など独自の指標を作る場合が多い。

 佐藤社長は「IRを強化すると、社内に緊張感が生まれる」と続ける。「IRでは製品別、カテゴリ別、地域別などの財務状況を分析する。すると、自社のコア・コンピタンスが明らかになり経営戦略の立案に役立つ。また、財務諸表上には表れない経理の不整合性なども浮かび上がり、社員に対する“けん制”にもなる。不景気といわれているが、実感の伴わない社員が多い。社員に自社の状況を開示して企業内に緊張感を生み出すのも、IRに力を入れるメリットだ」(佐藤社長)。

 SSJでは、「経営分析ソフト『SuperStream Planning』に関する案件が最近、商談の半分以上を占める」(松下佳二企画部長)という。SuperStream Planningは、自社の財務状態を独自の指標を作って分析するソフト。経営分析のほかに、IRの指標や管理会計の指標を作成するためにも利用されている。松下部長は、「SuperStream Planningの引き合いが急増していることからも、一般企業もIRの重要性に気付いてきたのではないか」と語る。

島田 優子=日経コンピュータ