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 12月19日、日本オラクルは2003年5月期の業績予想を下方修正すると発表した。これまでは売上高を886億円、経常利益を266億円と予想していたが、売上高は8%減の815億円に、経常利益は21.8%減の208億円に修正した。

 下方修正の最大の原因は、主力製品のデータベースを中心としたソフトの販売状況が回復しそうにないこと。そのためソフトの売り上げ予想を、450億円から18.2%減の368億円に引き下げた。この予想は、減収減益に終わった2002年5月期の実績である445億7800万円を、さらに29.3%も下回るものだ。

 下方修正に踏み切った理由について新宅正明社長兼CEO(最高経営責任者)は、「下期(2002年12月~2003年5月)には企業のIT投資が回復すると見込んでいたが、それが期待できなくなった。その影響で、主力製品であるデータベースと教育事業の売り上げの回復が遅れることを予想に反映した」と語る。投資抑制の影響は、データベースの大型商談の減少となってオラクルの業績に打撃を与えている。

 さらに新宅社長は経常利益減少の理由として、ソフトやサポートに比べて利益率の低いコンサルティング・ビジネスの売り上げ比率が高まっていることや、ソフト製品の価格改定の影響を挙げた。従来、30%を超えていた同社の売上高経常利益率は、今回の業績修正によって25.6%にまで下がった。この状況は看過できないとして、同社は利益率の向上を目的とした対策を打ち出す。

 その第一弾として、同社はリストラに踏み切る。「ネクストキャリアプログラム」と呼ぶ早期退職制度を2003年1月に新設し、入社4年目以降の社員を150人減らす。その結果、全社員数を1500人に縮小し、1人当たりの売上高を向上させる。

 さらに同社は「Oracle Japan Innovation 2003」と名付けた新しい中期経営計画を2003年3月から実行に移す。この計画では、インターネットや電話を使ったセールス部隊の増強や、販売代理店向け支援制度の拡充、間接業務を全世界のオラクルと共同運営するといった経営効率の向上策を実施する。さらに、中国に進出した日本企業向けの販売活動を強化する。

 しかし、業績不振の最大の原因である日本企業のIT投資抑制がいつまで続くかは不透明だ。データベース製品やサポートの価格に対する顧客企業の視線にも厳しいものがある。しばらくは、日本オラクルにとって試練の時が続くことになりそうだ。

中村 建助=日経コンピュータ