日本クレジットカード協会(JCCA、http://www.jcca-office.gr.jp/)がICクレジットカード用加盟店端末の本格導入を2003年7月まで延期した原因の、詳細が明らかになった。当初JCCAは、一部ブランドの海外発行カードに問題が発生したことを、遅れの原因としていた(http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NC/NEWS/20021220/1/)。しかし26日になって、JCCAから詳しい情報が提供され、原因が「問題の発生」ではなく「テストが完了しなかった」ためであることが判明した。

 最終的な原因は、「加盟店端末の設置が遅れ、当初計画していたテストをすべて完了できなかった」こと。2002年12月現在における加盟店端末の設置数は、当初の計画である3000台の半分の1500台にも達していない。

 では、加盟店端末の設置が遅れた原因は何か。それは海外で発行されたカードが持つデータ領域の処理などに、「問題が発生する可能性がある」ことが判明したためである。ICクレジットカードには、国ごとに自由に変更できるデータ領域がある。日本の場合は、そのデータ領域に暗証番号のデータなどを持たせている。しかし他国のカードでは、同じデータ領域を他の用途に使っている。

 JCCAでは、「設計上は問題ないはずだが、実運用ではどういったことが起きるかわからない」という判断から、仕様を見直すために加盟店端末の設置を遅らせた。すでに、問題が発生しそうな部分の仕様の改訂作業は済んでいるという。

 その後、実証実験を進めたものの、2002年12月までの状況では海外発行カードの利用がほとんどなく、実験データが集まらなかった。そのため「全体の処理を確認するために半年間、実証実験の期間を伸ばすことを決定した」(JCCA)のである。

 さらにJCCAは、「海外発行カードの実験データが集まらなかったことだけが、テストが完了しなかった原因ではない」と語る。日本はカード発行会社やデータを処理するセンターがそれぞれ複数混在している。そのため、「実際にカードの与信や売り上げの処理をする場合の組み合わせが5000パターン以上になる」という。JCCAは加盟店端末の本格導入を始める2003年7月までに、「これらのパターンのすべてで問題がないことを確認する」計画だ。

(鈴木 孝知=日経コンピュータ)