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 日立製作所が米IBMのハードディスク・ドライブ(HDD)事業部門を買収して設立した新会社「Hitachi Global Storage Technologies(日立グローバル ストレージテクノロジーズ)」が、1月1日から業務を開始した。これに伴い1月6日、日立の庄山悦彦社長ら幹部が新会社の基本戦略を明らかにした。

 新会社の基本戦略は5本の柱からなる。最も注目できるのは、対象市場・製品グループ別「ビジネス・ユニット(BU)制」を採用したことだ。対象とする顧客や市場を明確にするとともに、意思決定の迅速化と開発・損益責任の明確化を図る。

 具体的には、「モバイルBU」、「新分野BU」、「サーバーBU」、「デスクトップBU」、「ヘッド/メディアBU」という五つのBUを設置する。売り上げを牽引するのは当面、売上高の40~50%を占めるモバイルBU。しかし、成長力の面で新会社が最も期待しているのは、情報家電や車載用製品向けを中心とする新分野BUである。これらの分野が成長の中心になると見込んでいるからだ。このため新会社は、有力家電メーカーと提携し専用HDDの開発などを進めていく。直径1インチの小型HDDについても、「記憶容量4GBの次世代製品を今秋には製品化できるようにする予定だ」(Hitachi Global Storage Technologiesの鈴木良Advanced Technology Vice President)。現状の1インチHDDの記憶容量は1GBである。

 新会社はこのほかの柱として、(1)業界トップ・レベルの統合研究開発リソースの活用、(2)シンプル/スリムな経営体制の構築、(3)ヘッドからHDD完成品までを垂直統合している優位性を追求した高品質/高信頼のHDD一貫製造、(4)サプライチェーン管理の改善による稼働率向上・在庫削減を挙げた。

 買収を発表した後、IBMのHDD事業部門の業績が悪化している点について庄山社長は、「製品開発の遅れと歩留まりの悪さが原因。開発の遅れについては、昨年秋に出荷した新製品が好調に推移している。これが収益に改善に寄与するだろう。歩留まりはすぐに改善できるものではないが、徐々に直していく。2006年度に売上高70億ドル、営業利益率10%という新会社の目標は変更しない」と語った。

 IBMはHDD事業部門の業績悪化分を補い、新会社の今後の業績改善を図るために、人員を500人削減するなど6億ドル程度のリストラを実施したという。このほかIBMは、新会社から今後購入するHDD台数の拡大、知的財産権の移転に要する費用の減額、などを実施した。

 Hitachi Global Storage Technologiesは株主資本20億2900万ドル、社員数は約2万1500人(日立から約6800人、IBMから約1万4700人)。出資比率は日立70%、IBM30%で、2005年末に日立の100%子会社となる。CEO(最高経営責任者)には日立で理事を務める成瀬淳氏、COO(最高執行責任者)にはIBMストレージ・テクノロジ部門でゼネラル・マネージャーを務めていたダグラス・グロース氏が就任した。

森 永輔=日経コンピュータ