システム・インテグレータの内田洋行とソフト開発のスカイリー・ネットワークスは1月27日午後にも、PtoP(ピア・ツー・ピア)ソフト基盤「DECENTRA」に関する包括提携を結んだことを発表する。DECENTRAはスカイリー・ネットワークスが開発したミドルウエアで、Bluetoothや無線LANを使った無線通信環境でPtoP通信を可能にするもの。

 内田洋行は今後、DECENTRAを使ったシステム・インテグレーション(SI)を事業化していく。このために、スカイリー・ネットからDECENTRAのライセンスと技術協力を受ける。DECENTRAだけを販売する事業も展開する。さらに、SIで培った経験やノウハウを基に、DECENTRAのバージョンアップにも協力していく。

 スカイリー・ネットはすでにネットイヤーグループとDECENTRAの販売やSIで提携している。内田洋行とはバージョンアップの協力を含む、より深い協力関係を作る考えだ。両社は提携の第1弾として、東京都三鷹市の書店で2月25日からDECENTRAの実証実験を行う。店舗内で貸し出す携帯情報端末同士で、書誌データや書評データを交換できるようにする。

 PtoP通信は、サーバーを介さずに情報機器同士が直接通信して、必要なデータを送受信する技術。データを格納するサーバーに大きな負荷をかけることなくデータのやりとりが可能になる。DECENTRAは、PtoP通信を無線環境で可能にした珍しい製品だ。

 この分野で著名な「Gnutella」と同様、どの情報機器がどのデータを持っているかを管理するサーバーも不要。予め登録しておいた最寄りの機器に、必要なデータを持っているかどうかを照会する。照会を受けた端末はデータを持っていれば、その旨を回答する。持っていない場合は、さらに別の端末に照会内容を伝達していく。動作OSは、Windows NT/2000/XPのほか、Java 1.1の仮想マシンを搭載する機器であれば何でもよい。

 書店の実験では、「日経コンピュータの書評情報が欲しい」と携帯情報端末に指示すると、端末は最寄りの端末に情報の有無を照会する。情報を持たない端末は、さらに他の端末に照会内容を伝達する。最寄りの端末が必要なデータを持っていれば、データを格納するサーバーに負荷をかけることなく情報のやりとりが完結する。アンテナを多数設置する必要がないので、コストも低く抑えられる。

 実験はDECENTRAの次期バージョン「2.0」の最終テストを兼ねたものになる。2.0では、機器間で通信するデータをTriple-DESで暗号化する機能、欠落したパケットの再送信を指示する機能、ハミング符号を使ってパケットを再生する機能などを追加する。

森 永輔=日経コンピュータ