救助支援システムの画面 日本SGIと住宅地図最大手ゼンリン、危機管理情報の配信事業を手がけるレスキューナウ・ドット・ネットの3社は3月12日、災害救助活動の支援システムを共同で開発すると発表した。

 救助支援システムは、地震や火事などの災害が起こったときに、被害の情報などをいち早く収集し、地図データと組み合わせて視覚的に分かりやすく表示するもの(図)。国や自治体、消防署などの担当者がこのシステムを利用することで、避難場所の指示といった救助活動の指揮を素早く正確に実施できるようになる。今年9月をメドに、パッケージ製品として完成させる。

 日本SGIの和泉法夫社長は共同開発の目的を、「短期間で導入できる低価格のパッケージ製品を作ることだ」と説明する。大手ITベンダーが独自開発していた従来の救助支援システムは、「システムの導入を検討してから完成までには3~4年、費用にして数億円以上かかることが珍しくなかった」(ゼンリンの林秀美副社長)。レスキューナウの市川啓一代表取締役は、「全国約3300の地方自治体のうち、救助活動にこうした情報技術を活用しているのはたった100前後」と話す。

 3社で共同開発する救助支援システムは、具体的な価格は決まっていないものの、導入や運用にかかる費用を年額で数百万円から数千万円程度に抑える。導入期間も数カ月に短縮する。「多くの自治体に、救助支援システムを使って効率的な救助活動を実施してもらいたい」(レスキューナウの市川代表取締役)。救助支援システムは、Linuxサーバー上でアプリケーションを稼働させる形になると見られる。

 新システムの開発・運用に際して、ゼンリンは2次元/3次元の地図データを提供。日本SGIは、地図データと災害の情報を重ね合わせて可視化する画像処理を担当する。災害情報の収集や配信は、レスキューナウが受け持つ。レスキューナウは、日本全国で発生した災害や事故、交通機関の遅延などの情報を独自に収集する仕組みを保有。身近な事故や災害の情報を携帯電話に配信する個人向けのサービス「マイレスキュー」を月額200円で提供している。

大和田 尚孝=日経コンピュータ