財団法人 社会経済生産性本部は3月27日、「情報化・生産性評価基準 セルフ・アセスメント・ガイドライン」を発表した。同ガイドラインは、企業の経営層が、「自社では“情報”の価値を高めるような体制や仕組みができているか」を自己診断するための評価基準である。情報化に関する基本的な考え方を示した第I部と、自己診断するためのチェック項目、評価方法からなる第II部の二部構成で、4月1日から3000円で配布する。

 セルフ・アセスメント・ガイドラインは、情報をきちんを活用し、価値を生んでいるか、もしくは、価値を増大させるような体制にあるかを判断するために利用する。情報システムを前提とはしないが、情報システムなしでは情報の価値を高めることが難しいという現状から、結果的に情報システムの投資対効果などを診断することにもつながるという。

 ガイドラインでは、「情報価値の把握と情報化の必然性」「情報(ナレッジ)の開発・管理・活用の現状」「情報化推進体制とその仕組み」「組織と個人の情報技術の使いこなし」「情報化への取り組みの創意工夫と改善」「経営成果の評価と課題の把握」の6大項目についてクライテリア(判断基準)を用意した。各クライテリアに対して回答していくと、1000点満点中の得点が出る。その点数をどのように見ればよいかも記してあるが、「重要なのは、ガイドラインを使って自己診断を繰り返し、よりよい方向性を見い出すこと」と、総合企画課の沼田一博 企画調査研究担当部長は語る。

 利用するに当たっては、情報技術そのものに関する知識はほとんど必要ないという。そのため、経営者や現場の事業部門の人たちでも設問に答えることができる。「むしろ、経営者、現場の事業部門、情報システム部門の3者が、自社の情報化の状況と効果を調べ、今後のあり方を一緒に考え抜くことが重要だ。つまり、3者が参加して診断しなければ意味がない」(沼田担当部長)。

 ガイドラインは、スイスの国際競争力研究機関へのインタビュー、北欧諸国での調査や、国内の企業・団体十数社および専門家へのインタビューなどを基に策定した。3月31日には専用サイトを開設し、簡易診断を体験できるようにする予定である。

小原 忍=日経コンピュータ