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 東京にある古書店の事業協同組合である東京都古書籍商業協同組合(東京古書組合)は9月上旬をメドに、同組合が運営する古書市場向けの精算業務システムを稼働させる。誰が出品した古書を誰がいくらで落札したのかの情報をシステムに蓄積し、出品者と落札者の双方に取引の明細書を発行するために使う。特徴は、オープンソース・ソフトを全面的に採用すること。データベース・ソフトにPostgreSQL、OSに「Tubolinux Enterprise Server 8」を採用して、構築費用を抑える。サーバーにはパソコン・サーバーを使う。UNIXサーバーと商用ソフトで構築した場合に比べて半額程度で済むという。構築費用は数百万円とみられる。

 サーバーはデル・コンピュータ製の中位機「PowerEdge 2650」である。2台をクラスタ構成にして、信頼性を高める。データはアダプテックジャパンのディスク・アレイ装置に格納する。アプリケーションは独自開発。システム構築は学習研究社の子会社でシステム関連業務を手がけるスリー・エー・システムズが担当する。

 東京古書組合は、今回のシステムにより、事務員の作業負荷軽減を目指す。古書の入札は出品者が用意した封筒に落札者が入札額を書いた紙を入れるだけだが、集計作業は複雑だ。まず、出品点数が多い。1回の市で出品者は150人ほど、落札者は200~250人集まる。出品点数は1500~2000点に及ぶ。毎回売れ残る古書はほとんどない。東京古書組合で集計業務を専業で行う事務員は2~3人しかいないため、集計が終わるのは次の日の昼過ぎになる。古書市場はほぼ毎日開催されるので息がつけない。ほとんどの出品者は落札もするので計算はさらにややこしくなる。市場に参加した古書店ごとにわけて、売り上げと購入金額の差額を請求したり支払ったりしなければいけないためだ。

 今後は出品者に協力を仰ぎ、インターネットなどを通じて出品物をシステムに事前に登録してもらうことを考えている。そうなれば入力作業がなくなる分、集計作業はさらに短時間で済む。しかし、「出品者に手間を強いるためには何かメリットがなければいけない。それを今考えている」と河野高孝総務部長は打ち明ける。

矢口 竜太郎=日経コンピュータ