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 「日本でもICタグによるプライバシ侵害を巡る海外の議論は意識しておいた方がよい」。野村総合研究所でコンサルティング部門情報・通信コンサルティング部上級コンサルタントを務める渡辺秀介氏は9月8日、同社が主催するメディア向けセミナーでこう発言した。「日本では今、プライバシ侵害を指摘する声はそれほど多くないが、いずれ出てくる。ICタグの普及の面で少なからず問題になるだろう」とみる。それだけに「ICタグを利用したい企業やベンダーは、欧米で何が議論がされているのかを今からウォッチしておくことが大事」と強調する。

 ICタグとは情報を記録するためのICチップとアンテナ配線からなる小型の装置。商品一つひとつに取り付けることで、メーカーから消費者をつなぐサプライチェーン全体でトレーサビリティを向上させられるとして期待が高まっている。こうした期待がある一方で、「ICタグを付けた商品が流通すると、当該商品に関連する個人情報が盗まれる可能性がある」といったプライバシ侵害を懸念する消費者の声が、特に欧米で大きくなっている。

 ただし、渡辺氏は「ICタグが消費者の手にわたるようになるまでには時間がかかる」と指摘。「そう考えると、欧米でのプライバシ侵害の議論は現時点ではやや先走っている感じがする」との見解も示した。

栗原 雅=日経コンピュータ