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 米マイクロソフトのエリック・ラダー上級副社長(サーバー、ツール・ビジネス担当)が来日し、日経コンピュータの取材に応じた(写真)。取材の要旨は以下の通り。

──Windows Server 2003の売れ行きはどうか。
 Windowsのサーバー製品では最大規模のラウンチ・イベントを仕掛け、Windows 2000のときの3倍のペースで売れている。我々はすごく喜んでいるよ。2003は三つの点で受け入れられたと考えている。(1)生産性向上、(2)アプリケーション・インフラとしての価値、(3)高い信頼性だ。(1)ではファイル・サーバー上の削除したファイルをアンデリートできる(復活させられる)機能、コラボレーションのためのSharePointサービスが受けた。(2)ではWebサーバーの「IIS(Internet Information Services)」、アプリケーション・サーバーの「ASP.NET」、プログラム実行環境「.NET Framework」を一体化したのが評価されている。それらは個別に入手する必要もないし、個別にセットアップする必要もない。結果として、システム管理者や開発者は学ばなければいけないことが少ない。

──このところWindowsは、頻繁にセキュリティ・ホールが発見され、企業のパソコン管理者やユーザーは穴をふさぐのに忙しくてたまらない。もっとも、Windows Server 2003はそうでもない気もするが。
 Windows Server 2003は、コードのオーディット(追跡)やアセスメント(評価)をきっちり行った効果が出たと思う。しかし、問題が今後まったく出ないかと言えば、それはわからないし、それはOracleだってLinuxだって同じことだ。Windows 2000やXPでは多くの問題が発見されているが、Windows Updateを自動化することで、ユーザーはアップデート作業の忙しさを避けられる。我々は「Protect Your PC」キャンペーンの一環として、Windows Updateを自動化する設定方法をユーザーに知らせ、ぜひその設定をして欲しいと考えている。自動化すれば、手間はかなり軽減されるはずだ。

──ウイルス対策ソフトの導入と更新も面倒だ。Windowsに組み込んでしまう気はないのか。
 それはいい指摘だと思うし、我々が社会に責任を負っていることは自覚している。ただ、ウイルス対策ソフトを提供しているパートナー企業との関係もあり、今の時点でどうするとは言えない。

──Windowsの今後のロードマップは。
 サーバー側では、2004年に「Yukon(コード名)」を出す。Yukonはリレーショナル・データベース管理システムSQL Serverの次期版だが、サーバーOS全体に影響を及ぼすものになる。同時に開発ツールVisual Studio .NET(VS.NET)の次期版「Whidbey(コード名)」も投入する。その次は「Longhorn(コード名)」で、2005年から2006年になる。デスクトップ側はよりシンプルで、当面はXPのマイナー・アップデートを続ける。セキュリティ関連の機能強化が主になるだろう。そしてLonghornが来る。

──64ビットWindowsはどうなる。ItaniumとAMD64のどちらが有力か。
 Windows XP、サーバーOS、SQL Server、.NET Frameworkを、米インテルのItaniumと米AMDの64ビット・プロセサの両方に提供する。Itanium用のOSはすでにあるし、AMD用のOSはベータ段階だ。ItaniumとAMD64のどちらが有力かは、マーケットが決めることであって、我々が決めることではない。我々は顧客の選択を支持するだけだ。

──企業向けのシステム開発では、Javaが全盛で.NETの影が薄い。
 Javaが.NETより早くスタートを切ったことは認める。しかし、ソフト開発で大事なのは生産性で、VS.NETはその点では最高だ。ペットショップ・アプリケーションのサンプルを見てもらえればわかるが、少ないコード量でより良い性能が出ている。JLCA(Java Language Conversion Assistant)を使えば、JavaのコードをJ#やC#にでき、JSP(JavaServer Pages)をASP .NETにでき、J2EE(Java 2 Platform, Enterprise Edition)に変換できる。我々が最近行った調査では、開発者の34%がJavaを使い、37%が.NETを使っていた。.NETがJavaに負けているというのは間違いだ。

──マイクロソフトの新製品は以前ほどインパクトがない。会社自体もスクエア(堅苦しい)になってきたと思う。
 Xbox、PDA(携帯情報端末)、タブレットPC、OneNote、InfoPathを見てほしい。我々は多くの改良をなしとげているし、多くは基本的なビジネス上の課題を解決するものだ。社会に大きなインパクトを与えるものだと思う。スクエアだ、と言われると…、少しはそうなるのも仕方ないかもしれない。

(聞き手は原田 英生=日経コンピュータ)