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 「ITベンダーが技術力でビジネスを成功させていくには、単に先進技術を研究するだけではダメだ。複数の先進技術についてそれぞれの進化のトレンドを分析した上で、ビジネスや社会動向の観点から、インパクトの大きい技術をいくつか抽出し、それらを組み合わせた技術研究の戦略を立てていくべきだ」。米IBMの研究部門で、世界の技術戦略を担当するアーマンド・ガルシア バイス・プレジデントは、こう強調する。

 ガルシアVPは、ゲノムをはじめバイオ関連の事業における技術研究を例に、ポートフォリオの重要性を説く。「今から数年前、現在ほどライフサイエンス分野でITの適用が進んでいないころから、同分野に向けたITの研究を強化してきた。ITで薬の開発期間が大幅に短縮できるといったビジネス上のインパクトに目をつけたからだ。研究の強化に合わせて、ライフサイエンス分野向けのビジネスを独立事業として立ち上げた」。

 その後社会ではバイオ関連の事業に対するIT活用が注目を集めるようになり、「ライフサイエンス分野向けのIT事業は、今ではIBMにとって重要なビジネスに育った」(同)。

 IBMは複数の先進技術の将来性やビジネスとのかかわりについて毎年調査し、その結果を「グローバル・テクノロジー・アウトルック(GTO)」という成果物として社内に公表している。GTOはガルシアVPを含んだ4~5人のメンバーが中心となり、毎年12月をメドに作成する。IBMにおける今後のビジネスを大きく左右する要素を含んでいるだけに、サミュエル・パルミサーノCEO(最高経営責任者)をはじめとする経営陣にも1日がかりでじっくり説明し、お互いに内容を議論するという。

 ガルシアVPは今後数年間における情報技術の動向について、「グリッドやオートノミックなどの要素技術が組み合わさることで、システムのオンデマンド化といった大きな流れが続く」と指摘。「それ以外では、音声認識の技術にも期待している」と述べた。

(大和田 尚孝=日経コンピュータ)