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写真●左から、マイクロソフトのマイケル・
ローディング社長、岐阜県の梶原拓知事、
ソフトピアジャパン理事長を務める
慶應義塾大学の熊坂賢次教授
 マイクロソフト岐阜県、岐阜県の情報関連産業の育成支援を行う財団法人ソフトピアジャパンは10月16日、ITベンチャー企業の育成支援で提携した。マイクロソフトは、岐阜県とソフトピアが行っているベンチャー育成事業に参画し、ベンチャー企業1社あたり年間500万円相当のソフトウエアを無償提供するなどの支援を行う。マイクロソフトは今回、ITベンチャーの育成支援策「マイクロソフト・インキュベーションプログラム」を新設。その適用第1号が、このベンチャー育成事業である。

 マイクロソフトや岐阜県などは、10月30日から支援の対象となるベンチャー企業の募集を開始し、12月9日に適用企業を決める。選定されたベンチャー企業は、大垣市内にあるソフトピアジャパンの施設への入居が義務付けられる。当初は5社程度を選定し、将来は年間20社程度への支援を予定する。

 マイクロソフトはベンチャー1社ごとに、OSや開発環境などのソフトウエアを年間最大500万円相当まで、1時間あたり2万7000円の料金がかかる技術的な支援サービス「アドバイザリーサービス」を年間100時間まで無償で提供する。さらに、支援を受けるベンチャー企業は、マイクロソフトのオンライン・コミュニティへの参加や、各種イベントにおけるマイクロソフトのブース利用、マイクロソフト主催のトレーニングやセミナーへの招待、といった特典も受けられる。

 会見に参加した岐阜県の梶原拓知事は「大きな恐竜と田舎のカエルが手を組んだようなもので、こんなに嬉しいことはない。マイクロソフトの支援を受けて岐阜から世界に羽ばたく優秀なベンチャーが育てば、地方に大きな活力を与える。ほかの地方のためにも、岐阜モデルを早急に成功させたい」と意気込みを語った。

 マイクロソフトとの提携に至るきっかけについては「ソフトピア内にマイクロソフトの出先機関を設立してもらったり、今年5月にシアトル本社に招いてもらいビル・ゲイツ会長を始めとする幹部の方と面談するなど、もともと縁があった。そうした人間関係のなかで『地方を応援してくれ』という私の思いが伝わり協力してもらう話になった」(梶原知事)という。「最初はイチローの話で盛り上がったので、イチローは恩人の一人だと思っている」(同)と会場の笑いも誘った。

 一方マイクロソフトのマイケル・ローディング社長は今回の狙いについて、「地方の活性化、最終的には日本全体のIT産業の活性化に貢献するのがマイクロソフトの役割だと思っている。マイクロソフトもベンチャーとして27年前に生まれたが、この27年間、ベンチャー支援の正式なメカニズムを持っていなかった。今回、こういう形で実を結んだのは大変喜ばしい」と語った。

 支援するベンチャー企業への出資に関してローディング社長は、「資本だけがベンチャーの成功に重要な要素ではない。マイクロソフトはまず、アイデア提供や人材育成、ビジネスモデルの確立といった要素の支援に集中したい。資本面は、お金を出すのが得意なほかの会社に任せようと思っている」とした。今後、他の地方自治体とも提携していくのかという質問に対しては「他の地域でも同様のアプローチをしていく」(ローディング社長)と答えた。しかし、これに対して梶原知事は「まず岐阜県で成功してから、ほかも支援して欲しい」と釘を刺した。

(井上 理=日経コンピュータ)