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 富士通は10月20日、インテル製プロセサを搭載するサーバーPRIMERGYシリーズの新機種4モデルを発表した。このうち目玉は、7月に発売した2プロセサ機TX200を2台組み合わせて、フォルト・トレラント(FT)・サーバーを実現する「TX200FT」である。出荷開始は12月10日、最小構成価格はプロセサXeon 2.4BGHz、標準主記憶512MB、OS(Windows 2000 Advanced Server)とディスク(36GB*3台でRAID5を構成、さらに二重化)を含めて215万円からである。

 TX200FTの基本的なハード構成は、2台のTX200と、ミラーリングしたRAID5ディスクである。この上に、米マラソンテクノロジーズ社と富士通が共同で開発・検証したFT機構築ソフト「エンデュランス・バーチャルFTサーバー」を搭載し、仮想的な1プロセサのWindows 2000 Advanced Server機を実現するものだ。

 マラソン社は従来、4台のパソコン・サーバーを独自の光ネットワークで相互接続し、2台をアプリケーション実行用プロセサ、2台を入出力(ディスクおよびLAN接続)制御専用プロセサとして、仮想的なFTのWindows 2000サーバーを構築するシステム「エンデュランス6200」を開発・販売してきた。日本では住商エレクトロニクスが主な代理店となっており、日本IBMが2001年から、パソコン・サーバーIBM xSeriesとエンデュランスを組み合わせたシステムを販売・サポートしてきた。4台のサーバーや専用のネットワーク・カードなどが必要なため、1000万円以上のシステムになっていた。

専用ネットワークを使わずソフトだけで実現

 今回TX200FTに使用された「エンデュランス・バーチャルFTサーバー」は、この「エンデュランス6200」と同じ原理を、独自のネットワーク部分を使わずに、標準のサーバー製品だけで実現した。2プロセサ搭載のTX200の1プロセサをアプリケーション実行用、1プロセサと主記憶のうち256MBを入出力制御用に割り当てる。2台のTX200を使ってそれぞれを二重化する。

 アプリケーション実行用の2台のプロセサは同時に同じアプリケーション処理を実行し、結果が同じかどうか照合して同期をとる。TX200の1台に障害が起きても、正常な1台で処理を継続できる。障害を修復して再接続すると、自動的に同期状態に復旧する。「マラソン社から他社のサーバー用としてもこのソフトが供給される可能性はあるが、検証作業にはそれなりに手間と時間がかかるので、そう簡単には追随されないだろう」(佐川千世己IAシステム事業部長代理)。

 「高信頼性システムをクラスタで構築すると、設定やチューニングなどの運用が難しく、コストも高い。TX200FTは導入・運用が容易で、Windowsアプリケーションをそのまま使えるのが特徴だ。専任のサポート要員がおけない、かつ枯れたアプリケーションの用途に最適である」(増田実夫IAシステム事業部長)。中小企業向けや、大企業の地方拠点などの市場に狙いを定める。初年度(2004年3月までの3カ月強)で1000台、2年度目はPRIMERGYシリーズの国内販売台数の1割に相当する7000台を販売するという、強気の目標を掲げた。

NECも同価格帯のWindows FT機を発売

 この最低価格200万円前後のFTサーバーでは、日本ストラタステクノロジーが3月に「ftServer3300」(基本構成価格311万円から)を発売。ストラタスと共同開発しているNECも、ftServer3300とほぼ同じ仕様の「Express5800/320Lb強化版」を先週10月16日に発表(Windows Server 2003対応や標準主記憶容量を512MBに倍増した、などの強化。11月4日出荷、最小システム価格198万円=タワー型モデル=から)している。

 これに対して富士通は「インテル製プロセサ・サーバーの標準製品に、何ら変更を加えずにFTシステムを構築しているので、最新のプロセサを即座に採用できた(2.8GHz版と3.2GHz版Xeon搭載モデルを同時発売)」点をメリットとして強調する。ストラタスとNECは、2.8GHz版Xeon搭載のローエンド上位機として、ftServer5600とExpress5800/320Mc-Rをそれぞれ9月、10月に発表ずみだが、3.2GHz版搭載機はまだない。

(千田 淳=日経コンピュータ)