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写真=相沢佳衡

 「ユーザー企業ではストレージが余っている」。こう指摘するのは、ストレージ・ベンダー最大手米EMCの社長兼最高経営責任者(CEO)を務めるジョセフ・M・トゥッチ氏。「ストレージ当たりの容量が急激に増加したことと、ユーザーがこの数年でストレージ・システムへ過剰に投資してしまったことが原因」と他人事のように分析する一方、「結果、ユーザー企業はストレージへの投資を控え、ベンダー同士の競争がより激化する。最終的にストレージ・ベンダーは3社くらいに絞られる」と業界再編を示唆する。

 トゥッチCEOは、「どこの業界でも共通することだが、業界内で生き残れるメジャー・プレイヤーは3社まで。ストレージ業界もそうなる」とみる。「データベース・ソフトやデスクトップ・パソコン、UNIXサーバーなど他の分野を見ても、名前が出てくるベンダーは上位3社まで、4位以下は生き残っていたとしても誰も気にしない」。

 「EMCがその3社、それもトップに残すのが私の役目」と語るトゥッチCEOは、他社との差異化の目玉として、ILM(インフォメーション・ライフサイクル・マネジメント)に基づくストレージ戦略を挙げる。ILMはデータの重要度や鮮度、ユーザーの利用頻度に応じて、データの保存に使うストレージ機器を動的に変えていく手法を指す。

 トゥッチCEOは、「ILMに注力するのはユーザー企業が必要としているから。ユーザー企業が求めているのはストレージ容量の増加それ自体より、効率的なデータ管理の手法である。企業が保管するデータ量は今後も、年に6割から7割ずつ増えていく。ユーザー企業が保持するデータが膨大になって管理不能に陥る前に、データを管理できるシステムを導入しなければならない」と力説する。

 管理手法の必要性に関しては、もっと切迫した理由があるという。「全世界で、電子データの保管に関する法規制が整備されつつある。きちんとデータを管理していないと、刑罰を受ける危険すら出てきた。もはや付け焼刃的な対処では通用しない」(同)と主張する。

 ILMを提唱するストレージ・ベンダーは多い。だが、トゥッチCEOは「他のベンダーはILMの実現に必要な機能を一元的に提供できない」とEMCの優位性をアピールする。「我々は技術開発と企業の買収、両方でILMの実現に必要な機能を揃えてきた。10月に発表したレガートとドキュメンタムの買収により、我々が考えていたILMはほぼ実現できる」と語る。

 同社は10月、ストレージ管理ソフト・ベンダーの米レガートシステムズの買収完了と、コンテンツ管理ソフト・ベンダーの米ドキュメンタムの買収合意を発表している。

鈴木 孝知=日経コンピュータ