システム受託開発/コンテルティングなどを手がけるフルキャストテクノロジーは、ワークフロー・ソフト「ProcessBoard」の新版であるV2.4の出荷を開始した。ProcessBoardは、ワークフロー(業務プロセス)の作成、フローに基づく業務の実行や管理、コストをはじめとする業務分析を実行するソフト。V2.4では、旧版のV1.95に対して大規模環境で利用しやすくする機能を中心に強化した。同社は新版投入を機に、販売活動をより活発化させる考え。

 ProcessBoardの大きな特徴は、各プロセスにどの程度のコストがかかっているか、および、各プロセスがどれほどの価値を生み出しているかを可視化できること。コスト分析では、「ABC分析注)と同じようなことが、エンドユーザー自身が手軽にできる」(ビジネスソリューション事業本部Process Boardエンジニアリング部の武田寛 副部長)。各プロセスに要した時間、実行回数、プロセス担当者の時間あたりの単価などを基に、計画コストや実績コスト、目標コストなどを算出する。「パラメータを変えるとコストはどう変化するか」などを見るシミュレーション機能も備える。

 ProcessBoardでは各プロセスに対して、専門性が「高い」か「低い」か、実行するのが「不可欠」か「場合によっては有効」か「儀式的なもの」か、なども設定できる。これらのプロセス分析機能を使うことで、「どのプロセスが“クリティカル・パス”か」、「業務のどの部分を変えると、6カ月後にコストをどれだけ削減できるか」といった判断の材料に役立てることができる。

 ただし、この分析機能はあくまで業務改善のために使うことが前提。「人事査定には使わないでほしいとユーザーには説明している。プロセスにかかる時間は『いつクリックしたか』で計測しており、意図的に操作しようと思えばできてしまうからだ」(武田副部長)。

 V2.4では組織構造に有効期間を設け、将来の組織変更などを事前に登録可能にしたほか、組織をまたがるフローを作りやすくするなどの強化を図った。ワークフローの作成には、マイクロソフトのVisioを使う。業務分析にはマイクロソフトのProjectとExcelが必要。実行環境はサーバーがWindows(データベースはSQL ServerまたはOracle)、クライアントはInternet Explorerが動作するパソコン。価格は、50ユーザーで200万円。

 フルキャストテクノロジーは、ProcessBoardを2002年秋に発売。それ以前は、エンジン部分をコンサルティングで利用していた。販売実績は約30社。「ProcessBoardのビジネス自体を当社の柱にしていくとともに、業務コンサルティングやエンジニア・アウトソーシングなどのビジネスにつなげていきたい」と武田副部長は話す。

田中 淳=日経コンピュータ

注) ABC(Activity Based Costing)分析は、企業活動を個別の活動に分けて、それぞれの原価を算出する管理会計手法のこと。