PR

 富士通は2月9日、オープン技術を使った新しい勘定系システム「金融ビジネスアプリケーションソリューション」を発表した。最大の特徴は、メインフレーム向けに開発した勘定系システムを基に新製品を開発すること。稲垣博正経営執行役は、「稼働実績がある自社開発のアプリケーションがベースなので、品質や開発生産性を高められる」と強調する。

 稲垣経営執行役は今回発表した新システムについて、「日本で稼働実績のない製品を海外から持ち込んだのとは違い、現実味のあるものだと自負している」と続ける。この発言は、日本IBMが昨年10月に発表したオープン金融基幹系構想「IBM Next Generation Financial Services System for Banking」を意識したもの。IBMの構想は、業務アプリケーションの中核部分に米国製パッケージを使う。

 これに対して富士通の金融ビジネスアプリケーションソリューションは、同社が昨年9月に稼働させたメインフレーム向け勘定系システム「PROBANK」をオープン系サーバーで動くよう作り換える。「PROBANKは部品化の概念を取り入れて設計・開発したものだけに、それぞれの銀行の業務ニーズに応えることができる」(稲垣執行役)。さらに富士通が苦労に苦労を重ねて作り上げた製品だけに、「ソースコードの1行1行まで理解している」(同)というわけだ。

 「今後3年間で600億円の売り上げを目指す」と意気込む稲垣執行役は、「上位地銀を中心に新製品を売り込みたい」と話す。ただ日経コンピュータの調べによれば、最大のターゲットはみずほ銀行と見られる。日本IBMが昨年10月に発表したオープン金融基幹系構想も上位地銀向けとしているが、真の狙いはみずほである。日立製作所もIBMとほぼ同時期に次世代金融ソリューション「The Next Open Financial System」を発表しているが、これもやはりみずほの採用を水面下で模索している。

 今年12月にシステム統合を終えるみずほ銀行は、グループ全体のIT最適化の観点から、みずほコーポレート銀行やみずほ信託銀行なども含めた形で、グループの次世代システム戦略を検討している段階だ。ここに何とか入り込もうと、みずほ銀行の勘定系を手がける富士通、同行の情報系とみずほ信託銀行の基幹系を担当する日本IBM、みずほコーポレート銀行のシステムを担う日立の戦いが、“再び”始まろうとしているわけだ。

 富士通の金融ビジネスアプリケーションソリューションは、J2EE上で動作するJavaアプリケーションとして、同社が昨年11月に発表したシステム開発体系「SDAS」に基づき、システム構築フレームワーク「B2.Sframework」やIT基盤「TRIOLE」に準拠した製品に仕上げる。具体的には、「COBOLで書かれたPROBANKを独自の技術でJavaに変換する」(稲垣執行役)。富士通はこのCOBOLをJavaに変換する技術を生かした「トランスマイグレーションソリューション」も、併せて提供する。

 提供時期は、金融ビジネスアプリケーションソリューションが2005年度第1四半期、トランスマイグレーションソリューションが2004年度第4四半期。このほか、社内外のシステム連携を支援する「次世代ハブソリューション」も、2004年度第1四半期をメドに提供する。次世代ハブソリューションも、PROBANKのハブ・システムを基に開発する。

大和田 尚孝=日経コンピュータ