「ユーザー企業がIT投資を絞るなかで、中小ITベンダーにもチャンスが回ってきた」、JASIPA(日本システムインテグレーション・パートナーズ・アソシエーション)の和知 哲郎理事長は手応えをこう語る。

 JASIPAは、小規模ITベンダーの連合体。中小システム開発会社や営業会社、パッケージ開発会社からなる任意団体である。営業、パッケージの提供、設計・開発、という3役を担う複数の企業が協力し、ユーザー企業から直接案件を獲得しシステムを納品できる体制を作る。こうすることで、大手SIベンダーの下請けという立場から少しでも脱却することがJASIPAの活動の目的だ。

 会員企業の名簿にはパッケージ・ソフトの開発やシステム構築を手がけるウッドランドや、帳票パッケージ・ソフトを提供する翼システムなど、一定の知名度を持つITベンダーが名を連ねる一方で、「名が知られていない中小のITベンダーも多い」(和知理事長)。JASIPAとしては、「名は知られていないが、実力を持った中小ITベンダーとユーザー企業の橋渡しもしていきたい」(同)という。

 2001年秋の設立当初には参加企業は30社だったが、いまでは北海道から沖縄まで合計で約70社を数える組織に成長した。和知理事長は、システム開発会社メディアミックス・プロジェクトの代表取締役。「下請けビジネスでは、小規模ITベンダーは将来必ず行き詰まる」という危機感を胸に、JASIPAの設立に携わった。2004年度にはNPO化を目指す。

 和知理事長は、「これまでJASIPAは見向きもされないことが多かったが、昨年末から急に風向きが変わった」と話す。「ユーザー企業からの引き合いも、同業者からの問い合わせも急に増えてきた」と続ける。

 こうした背景には、ユーザー企業のITコストの削減や、システム構築案件の減少といった、ユーザー企業のIT部門とITベンダーの双方の厳しい状況がある。そうしたなかでも、ユーザー企業はリスクの低減という題目で、無条件に大手のITベンダーに案件を任せがちだ。「大手ベンダーにも実力がある人はいるが、大手ベンダーにシステム構築を任せたからといってリスクが大きく低減するわけではない。大手ベンダーよりもかなり抑えたコストで、必要十分なシステムを提供する」と和知理事長は意気込む。

(高下 義弘=日経コンピュータ)