「Windows用データベース・ソフトとしてシェア60%を奪還する」。日本オラクルの新宅正明社長は3月3日、Oracle Database 10gの販売戦略発表会でこう宣言した。同製品の価格体系、キャンペーン内容などはすべて、マイクロソフトの「SQL Server」からシェアを奪うことに焦点を絞った。「Windows版のシェアを60%とっていた1997年の水準まで戻す」と意気込む。現在は48.3%(IDC Japan調べ)まで落ちていた。過去に両社はWindows版データベース・ソフトのシェア調査を巡って論争を繰り広げたこともある。

 日本オラクルは米国本社の方針に合わせ、Oracle Database 10gの価格体系と商品構成を見直した。最上位版の「Oracle Database 10g Enterprise Edition(EE)」、中位版の「同Standard Edition(SE)」、廉価版の「同Standard Edition One(SE One)」のうち、マイクロソフト製品と市場で競合することの多い、SEとSE Oneの価格を旧版(9i)より、事実上17~43%下げた。

 SEは、それまでオプションだったクラスタリング機能「Oracle Real Application Clusters(RAC)」を標準装備にし、お買い得感を出す。RACの価格は1プロセサ当たり250万円である。「SQL Serverとクラスタ製品を組み合わせていた顧客に訴求する。大規模システム向けという印象の強いRACを4プロセサ構成までの中規模システムに浸透させる」と山元賢治専務は鼻息が荒い。SEの価格は9iと同じく指名ユーザー・ライセンス(Named User Plus)で3万7500円(1人当たり)、プロセサ・ライセンスで187万5000円。ただし、RACの使用は最大4プロセサ構成まで、オラクル純正クラスタ・ソフト(Cluster Ready Services)に限られるといった制限がある。なお、10gの出荷に伴い、9iのSEで適用していた値引きキャンペーン「98万円キャンペーン」は終了する。

 SE OneはSQL Serverを意識して、指名ユーザー・ライセンスで2万4400円から1万8600円に、プロセサ・ライセンスで79万9400円から62万4400円へ引き下げた。さらにライセンスの適用範囲を最大1プロセサ構成から最大2プロセサ構成に上げた。「最小構成(指名ユーザーライセンスで5ユーザー購入)は9万3000円で購入できる。SQL Serverの3分の1の価格だ」と山元専務は力説する。SQL Server 2000 Standard Edition出荷時(2000年10月)の推定小売価格は27万3000円である。

 このほか日本オラクルはSQL Serverからの乗り換えプログラムを充実させる。目玉は「下取りプログラム」。SQL Serverから10gに乗り換える場合、オプション機能などを含めた10gの価格がSQL Serverの購入価格より高ければ、SQL Serverを購入金額でオラクルが下取る。つまり、顧客が支払う金額は10gとSQL Serverの差額だけになる。OracleのほうがSQL Serverより安い場合も、あらかじめ定めた下取り価格でSQL Serverを引き取る。ただし下取り総額は最大でも10gの購入費用の半額まで。

 EEの価格は9iと同じ。指名ユーザー・ライセンスが10万円(1人当たり)、プロセサ・ライセンスで500万円である。「UNIXサーバーが中心となる大規模向け市場は当面、安泰。ライバルがどんどんいなくなっている。UNIX版のシェアは68.4%という数字が出ているが、実際はもっと多いはず」(新宅社長)と余裕の構えを示す。ただし、「メインフレームの置き換えに乗じたキャンペーンなど、さらにシェアを獲得する施策を考えている」(新宅社長)。日本オラクルは同日、10gの出荷開始日も発表した。EE、SE、SE Oneとも4月5日である。

矢口 竜太郎=日経コンピュータ