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 KDDIは3月5日、国内電話の料金請求に誤りがあったことを発表した。誤請求が発生したのは通話数で4万5866件、総額で約1346万円分。同社は、「いわゆる“2038年問題”が原因と考えている」とコメントする。

 西暦2038年問題とは、システムをUNIX環境で利用している場合に、グリニッジ標準時の2038年1月19日3時14分8秒を過ぎるとシステムが正しく時刻を認識できなくなるというもの。1月11日に20行以上の銀行でATM(現金自動預払機)が一部の取引で正常に利用できなくなったのも、これが原因である。問題が起きたシステムで利用しているソフトのなかに、時刻の2倍に足し合わせる処理があり、ちょうど1970年と2038年1月19日の2分の1を超えた2004年1月11日の朝から、2038年問題が顕在化。システムが正常に稼働しなくなった。2月2日付けの日経コンピュータの記事をはじめ、広く報道されている。

 KDDIは、「日経コンピュータの記事をきっかけに社内システムのチェックを進めていたが、今回トラブルが起きたシステムについてはチェックが不十分だった」と反省の弁を述べる。「他のシステムでは今のところ2038年問題は表面化していないが、再度システムのチェックを実施する」(同)という。

 誤請求が起きた直接の原因は、「課金システムの日付計算処理に不具合が発生した」(KDDI)こと。土日祝日には割安な休日料金を適用すべきなのに割高な平日料金で課金したり、逆に平日に休日料金で課金したりしていた。

 その結果、割高な料金で請求がきた利用者と、割安な料金で請求が来た利用者が出た。1346万円というのは、過剰請求した金額と過少請求した金額の絶対値を合わせたもの。KDDIはそれぞれの金額は明らかにしていない。同社によれば、「誤請求した金額については、調整額として3月以降の請求時に請求金額を調整する」という。

 今回、誤請求が発生したのは以下の四つのサービス。001をダイヤルしてからかける「国内電話」、0053や0070をダイヤルして固定電話やPHSなどを使って全国均一料金でダイヤルアップ接続ができる「DODサービス」、プリペイド・カードなどを使って0055をダイヤルしてかける「カード通話」、VPN(実質的な専用線網)通話などで使う0056をダイヤルする「バーネット通話サードパーティダイヤル通話」である。誤った課金をしたのは1月10日から2月25日に利用した分である。利用者が多い、001をダイヤルして使う「国際電話」や0077をダイヤルして使う「国内電話」、「マイライン」を使った通話に関しては影響を受けていない。

鈴木 孝知=日経コンピュータ

【お詫びと訂正】

 誤請求が発生した通話として『プリペイド・カードなどを使って0055をダイヤルしてかける「カード通話」』とある部分は誤りです。KDDIの「カード通話」にはプリペイドカードを使うものとクレジット・カードを使うものがあり、今回誤請求が発生したのは、クレジット・カードでの国内通話のみです。  また、「日経コンピュータの記事をきっかけに社内システムのチェックを進めていた」とありますが、同社は以前から問題を認識しており、記事はきっかけの一つに過ぎません。以上、お詫びして訂正します。