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 「オートノミック・コンピューティングを実現するためのピースはすべてそろいつつある。日本でも5月後半には企業に利用してもらえる環境が整う」。米IBMのウォリー・ケイシー チボリ・ソフトウエア ワールドワイドセールス担当副社長は、オートノミック・コンピューティングの推進に意欲満々だ。

 日本IBMは「Tivoli Intelligent ThinkDynamic Orchestrator」の日本語版を5月に発売する。サーバーやストレージといったリソースを複数のシステムで共有した場合に、それぞれのシステムの稼働状況に応じて、リソース配分を自動調整するための管理ソフトで、ケイシー副社長は「これがオートノミック実現に必要な最後のピースだ」と言う。例えばSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)システムの負荷が高まれば、ほかのシステムに割り当てられているリソースの一部を開放し、SCMシステムに割り当てることができる。

 ケイシー副社長は、「調査会社によると、企業システムのリソース使用率は平均で25%程度に過ぎない。一部ではリソースが無駄になっているし、別の一部では十分な性能が得られず、ビジネスのニーズを満たせていない。オートノミックの目標は、リソースを有効活用し、使用率を今の2倍の50%にまで引き上げることだ」と説明する。

 ただ、企業システム全体を一気にオートノミックに対応させることは難しい。そこでIBMは、それぞれの顧客がどこからオートノミック・コンピューティングを適用すべきかを判断する「オートメーション・アセスメント」と呼ぶコンサルティング・サービスを合わせて提供する。どのビジネス・プロセスを重視しているかをヒアリングし、ステップ・バイ・ステップでオートノミック対応を進めるという。

 ケイシー副社長は、初期ユーザーによるオートノミックの適用分野として、テスト用システムを挙げる。「業務システムのテストを実施する場合、実システムと全く同じ構成のシステムを作ることがほとんど。テストを終了するまでは、リソースに余裕があったとしても、ほかのアプリケーションのテストには流用できない。オートノミック環境なら、余ったリソースを使ってほかのシステム用のテスト環境を素早く構築できる。テスト作業の生産性を高められるし、コストもセーブできる」と見る。

河井 保博=日経コンピュータ